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[nikomat 22040] Tomatsu Shomei at C-Square



市川です。たまには写真展のはなしを。

名古屋大学のワークショップを覗くついでに、Cスクエア(中京大
学)で東松照明『八月の光』を見てきました。いつもの会場だけで
なく、第二会場まで設定した(やや)規模の大きい展示でした。

現在は長崎に住んでいる東松照明ですが、今回は割合に淡々とした
写真が多いです。東松照明の色々なモチーフ(長崎、原爆、テクス
チャに対する興味、桜、街角スナップ、などなど)を、統一するこ
となく、作者の“現在”に従って展示した作品展になっています。
その意味では、東松照明の過去の作品をフォローしていないと理解
できない写真が多いかも知れません。過去に撮った人(被曝者)をフォ
ローしている写真などは、やはり知らないで見て理解できるとは思
えない。

でももちろん、東松照明の過去を何も知らなくても、作品から老写
真家の腕の冴えを感じる事はできます。統一したテーマは感じませ
んが、逆に枯淡の境地みたいなものを感じます。余韻も残る。

「プラスチック」や「Creature-P」のような感じを期待すると、予
想と違うので驚くでしょう。しかし驚かされたという事実が、老写
真家の意図通りなのかも知れません。また、次の写真展も見たくなっ
たから。

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    Shuichi ICHIKAWA <ichikawa@tutkie.tut.ac.jp>