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[nikomat 23650] Safe back from US



乾です.

At 03:10 01/09/17 +0900, you wrote:
>高田です
>
> >> 飛行機のキャンセルが続いているため,20日まで帰国便の予約が取れない
> >> ということで,(ということは,20日になれば帰国可能となるのか?)
> >> 大変なようです.
> >>
> >> #今度の週末も,関西方面へ出張とおっしゃってましたが,大丈夫
> >> #なんだろうか・・・
>
>とりあえず無事に日本に帰ってきていただきましょう。

色々ありましたが,昨晩無事に帰宅しました.

既に事件のことは皆さんよくご存知でしょうから,帰国に至るまでの顛末
だけを書いておきます.ご参考まで.

当初,9月9日〜14日(帰国は15日)の予定で,ピッツバーグで開催さ
れるASME(米国機械学会)の設計関係の国際会議に参加していました.
例の事件を知ったのは,11日の午前のセッションが終わった直後.一機
がピッツバーグ近郊に落ちたこともあって,会議会場のヒルトンは騒然と
した感じになりました.テロ対策ということでしょうか,事故直後から市内の
レストランなどは全て閉鎖.ショッピングモールの類も即閉店となりました.
また市中にはいたるところに警官がいました.

当然ながら飛行機は全てキャンセル.今回は学生を連れてきていたので,
二人分の帰国便を確保するために,八方手を尽くすことになりました.

ニュースでは,12日の昼まで空港は全て閉鎖,ということでしたので,
14日に帰国予定の私たちは,ちょっと判断に苦慮することになりました.
航空会社はUnitedだったので,そこの発着連絡の電話とウェブの情報
を頼りに,私たちの帰国便の状況を調べ,もしも帰国便がキャンセルに
なったときには,即座に次の便を予約するという作戦を立てました.

実は,14日の便については,割と楽観的な雰囲気があり,事実13日の
夜まではピッツバーグからシカゴへの国内線も,またシカゴから日本への
国際線も「飛ぶ」という情報が提供されていました.ところが13日の深夜
に最終確認で電話をしてみると,ピッツバーグ〜シカゴの便のみが
キャンセルの変わっていました.ただピッツバーグ〜シカゴは,他にも多くの
航空会社が便を飛ばしていることから,とにかく朝一番にピッツバーグ
空港にいき,他のシカゴ行きの便を確保することにしました.

朝4:30にタクシーでピッツバーグ空港にいき,早速UAのカウンタへ.
既に10人ほどが並んでいました.カウンターがあくのは5:15なので,
それまでは,並んでいる他の方々と情報交換.その中で,どうやら
今日は飛行機はほとんど欠航らしいことがわかってきました.その後
私たちの順番の際に,色々と交渉したのですが,ピッツバーグ〜シカゴ
もシカゴ〜成田もともに欠航で,どうしようもなし.後から知ったのですが,
この日は日本に向かう便は全部欠航だったようですね.

結局,もっとも早くに座席を確保できるのは20日の便ということで,その
便を私と学生の二人分押さえて,また市内へ引き返しました.その際に
カウンタで,「明らかに予約が重複して押さえている人が多いので,
うまくいけば17日ぐらいには取れるかも」という情報を与えられました.そこ
でその後は,毎日ホテルからUAの予約デスクに電話をいれて,とにかく
早い便をお願いしました.結果的には16日の午後の電話で,「17日なら
ピッツバーグ〜シカゴも,シカゴ〜成田もとれる」と判明し,予約を変更しま
した.

#その直後に私の友人も電話したのですが,こちらは,ピッツバーグ〜
#シカゴが直通では取れず,ピッツバーグ〜ワシントン〜シカゴとなりました.

シカゴ発の成田便が遅れた関係で,シカゴ・オヘア空港で7時間ほど過ごす
ことになった以外は,何の波乱もなく戻ることができました.実は帰国便は
ガラガラでした.

以下,今回得た教訓を少し.

(1)日本はあてにならない.
13日深夜に欠航が分かった段階で,ダメモトで国際電話で日本の旅行会社
に情報提供を求めました.でも全く情報がないのですね.気をつけて帰って
きてください,みたいなことばかり繰り返すだけで,全く無駄でした.

(2)大学もあてにならない.
会議には企業の方も多数参加していましたが,彼らには「○×に電話せよ.
帰国便の手配をする」みたいな情報が,日本のほうから提供されていまし
た.でも大学のほうからは,そのような有用な情報は(まあ予想していまし
たが)全くなし.同行していた学生の両親が心配して大学に連絡し,大学の
学長からうちの学科長に連絡があり,自宅に状況を問い合わせる電話が
あったようです.やれやれ.

(3)航空会社の電話ラインが一番たよりになる.
今回一番頼りになったのは,航空会社の提供する1−800番の予約案内
でした.当初は回線がパンク状態で,連絡がつかなかったのですが,15日
ぐらいから状況は好転し,30分程度の待ち時間で,通話可能になりました.
専門家なんでしょうね,ムダのない応対で,最新の情報を提供してくれるし,
英語が下手と分かるとゆっくりと説明してくれるし,助かりました.

(4)セキュリティチェックはあまり変化なし.
あれほどの事件ですから,手荷物のチェックも相当厳しかろうと思いました
が,実はあまり変化していませんでした.通常よりもX線で丁寧に見て,
不審な点があれば,カバンを開けさせる程度でした.でも機内食のナイフは
プラスチックに変わっていました.

(5)みんな忍耐強かった.
事件が事件ですから,空港のカウンターは長蛇の列でした.でもみんな
すごく忍耐強い感じ.応答も特に変化なし.まさに平常業務の感じで仕事
をこなしていました.そんな状況で,「俺はファーストの切符だから早く
対応しろ!」みたいなアジア人(日本人ではなかった)がいて,顰蹙を買って
いました.カウンタの人は「列に並んで」とだけ言って相手にしたなかったけ
ど.

(6)英語はやっぱり大事だね.
何しろキャンセルがバンバン入るので,アナウンスをきちんと聞いて,即
対応する必要がありますね.今回は行きも天候不順でキャンセルが3回も
あり,帰りもシカゴ便が機体不良でキャンセルになったので,あちこちの
カウンタを巡りましたが,情報がアナウンスだけなので,大変でした.

で,結局ピッツバーグに3日余分にいましたけど,よい休暇になりました.
電話するのは大変だったけど,友達と一緒にあちこち観光し,ひさしぶり
にじっくり本を読み,美味しい食事とワインをのみ,充実した時間となり
ました.

ピッツバーグは田舎だからかもしれませんが,あの程度の事件
では,国の屋台骨は揺るがないよ,という感じ.最終日には,わりと
有名なシーフードのレストランに行きましたが,あちこちでパーティ
もあり,ごく普通の生活の感じ.なんか安心しました.

でも,同行した学生さんには,ハードな旅行だったようです.目にみて
わかるぐらい消耗していました.行きの便で隣だったOLさんは,今回
が2回目に海外旅行で一人旅でした.ボストンにいかれたのですが,
無事に帰れたのでしょうか...

あ,それから高田先生に教えてもらった,中古のカメラ屋もいきましたよ.
残念ながら欲しいものはなかったけど...

では.