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[nikomat 33991] Re: SC-SkoparやBessa-R2S/Cのことなど
ひうらっす.
お〜にしさん:
> > S/Cマウントでは、外爪(3爪式)の精度と
> > ボディヘリコイドとの連動カム(こちらも3本爪)の精度
> > という2つの関門があって、前者がいい加減だと、レンズの
> > 取付けガタ、後者がいい加減だと、レンズ装着後の距離環の
> > ガタが発生します。
>
>うーんと、ニコンマウントの外爪の場合、外側の爪は、レ
>ンズと、ボデーのマウント面を圧着しているだけですから、
>そんなに精度はいらないと思います。
>要は、マウントする時に固ければいいわけで、緩くなった
>ら、バヨネットになっている部分を押して、固くすれば良
>いんです。
うーん,しかし,距離計連動精度の問題があるかもしれません.
S型の広角・望遠ですと,ボディとレンズの距離計連動は,
内バヨネットの回転角で連動しますよね.
ということは,レンズ本体が外爪に対して回転してしまうと,
その分距離計と合焦距離とがずれてしまうことになります.
例えば,レンズのケース部分(マウント部)とレンズの玉枠部が
いっしょに固定されたまま(たとえば無限遠のまま),ガタで
回ってしまいますと,ピントが合う距離は変動しない(例えば
無限遠のまま)ですが,距離計が合う距離は前後に変動して
しまうわけです.
というわけで,広角レンズや,望遠レンズは,カチッと外爪が
掛かると,もちろん光軸方向には動いてはならないし,
回転方向にも動いてはならないわけですね.
さらに,広角レンズがカチッと装着された瞬間に,ボディの内
バヨネットと,レンズの距離計連動カムも同時にパチンとはめ合わ
なくてはならないわけで,
(もしも,装着の瞬間より早くカムが勘合すると,装着の瞬間には
距離計は無限遠より近くに合ってしまうし,もしも逆にずれていると,
レンズは装着されたがカムは勘合していない,という状況になる),
しかも距離計連動カムはガタがあってはならないわけで,
(レンズの回転に対して距離計の動きにバックラッシュが出る)
精度 ±0 の工作が求められるところが多いですね.
1. 外爪の寸法とレンズの寸法,
レンズが装着されたときに,レンズは回転方向にガタがあってはならない
2. 距離計連動カムと内バヨネットの寸法
レンズが装着されたとき,レンズの回転角とボディヘリコイドの回転角
にガタがあってはならない
3. 外爪と内爪の相対位置
レンズが無限遠状態で,ボディに装着されたとき,レンズがボディに外爪で
固定された瞬間に,カムも勘合しなくてはなならない
という三重苦になっています.
ライカとかだと,距離計の連動は「バネで押し付けている」わけで,
ここにバックラッシュは存在しないし,工作上の誤差があっても
調整で逃げる余地がありますが,コンタックス・ニコンマウントは,
工作したブツの寸法上でずれてしまうとどうしようもないですね.
#生産性,コストを考えると,機械設計としては失格の部類かと.
##しかし,ある意味「精度の悪いものは,そうと分かってしまう」
##システムなわけで,フェールセーフ的な意味合いと考えると,
##実は非常に先進的なのかも.
>また、連動カムですが、こちらも、距離計と連動するのは、
>3つある出っ張りの内の一番大きな1つだけです。
ですね.その他の部分は凸型ではなくて,台形の出っ張りに
なっていて,はめ合いの精度とは無関係ですね.
ただこのレンズ側の凸とボディ側の凹とが,寸法が合ってないと
いけないわけで,しかも磨り減ってきているものもあり,
ちょっと怖いところですね.
S型を触っていると,この辺が寸分違わずにかみ合わされ,ガタ
もないところに感心させられます.これは S3-2000 も,いままで
に所有した二台の S2 でも同様でした.
では