[nikomat 34025] Re: 世界の車窓から、から、から、

[<amiyazaki@nts.ricoh.co.jp>]

宮崎だす。

呼ばれたので出てまいりました。

まごめさん

> 昨夜の「世界の車窓から」には、ポーランドのSLが走っていましたよ。
> まだ２路線あるそうです。

その２路線ですが、もう危ないです。
もともとこの２路線も現役路線じゃないんですが。


ポーランド国鉄は、東欧国鉄の中では最後まで本線用大型蒸気機関車を
使っていました。ベルリンの壁が破れる前後まで使用していた国はいく
つかありましたが、その後もしばらくの間使っていた国は少ないです
（大型機関車は、世紀末までボスニア・ヘルツェゴビナの専用鉄道（貨
物のみ）で使っていましたが、現在は不明。ヨーロッパの国鉄ではポー
ランドが最後でした）。

それらも正式には1993年5月をもって用途廃止となっています。

最後まで使用していたポーランド西部（ベルリンからさほど遠くない）
の田舎町、ウオルシュテンの機関区はそのまま残され、最後まで使って
いた機関車や研修設備と共に保存運転用として残されました。

京都にある、国鉄／ＪＲの梅小路機関区と同じ感覚です。


しかしよーわからんことに、「廃止」時期を過ぎてもそのまま毎日定期
列車を牽いているのです。多分走らなかった日はなかったと思う。

「廃止日」の翌日も継続して走っていたはず。なぞだ。


公式には「保存運転扱い」なのですが、今も２〜３方面の定期の客車列
車数本と、不定期（大体１往復／日）の貨物列車を牽いています。
そうなってから既に１０年近い歳月が流れました。

貨物を保存機に牽かせるという話は他では聞いた事ないので、保存では
ないという噂もありますが真相は謎。

ポーランド西部の主要都市、ポズナンまでの70kmほどを走る早朝の通勤
列車も牽いています。朝５時に出て、ポズナンには７時頃に到着。この
列車は通勤・通学客で混雑し、ほとんど保存運転というノリはありませ
ん。


ＮＡＴＯにすら参加するようになったポーランドは、社会や経済が西側
化し、国鉄路線は大赤字になりました。既にポーランド国鉄ＰＫＰは民
営化され、合理化と赤字路線の大量廃止に走っています。

乗務員が必ず２名必要で、整備に独特の設備やノウハウが必要な蒸気機
関車の運転は、既に蒸気機関車廃止前後からコスト的に赤字になってい
ました。現在ではディーゼルより手間もお金もかかるのです。


実はここの機関車、来月中旬に貨物列車の牽引から引退します。
ついにという感じがしますが、こちらでも貨物のトラック輸送化は進ん
でいますので、鉄道貨物輸送自体が廃止になるのかも知れません。

ＰＫＰは大赤字なので、蒸気機関車による旅客列車の牽引の廃止、それ
以前に機関区があるウオルシュテンまでのローカル線の存続自体が危な
いといわれています。


> ところで、私もてっちゃン写真を初体験しました。

おお！

> 　熊谷から秩父には土日祭でSLが日に２往復しています。

こいつの存続も危なかったのですが、何とか走ってますね。

> 　丁度、彼岸花を撮ろうとしていたら、やってきたので、撮りました。
>
> 　　ピンとは彼岸花でしかもちょっと望遠接写でしたので、SLは思ったより
> 　　大きく、デフォーカスもしていて、鉄っちゃん写真としては大失敗でした。

鉄が撮ると車両中心になりますから、パターンが決まってしまって。
その点、「鉄」初心者の方のほうが新鮮な写真が撮れます。

> では、ポーランドSLはすでに射程内でしたっけ？

初回は1991年暮れでした。
寒かった。