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[nikomat 34845] Re: The Works S3-2000



まごめです。

日浦Rさん:

> > 遺伝的アルゴリズムによる最適化手法でレンズ設計をしている話を
> > 紹介してくれたことがありました。
> > 確かその後、日本光学会で発表した話
> 
> 横浜の学会に参加してましたときに,yd氏といっしょになり,
> これから東工大でD論の公聴会で面白い発表があるからこない?
> ということでつれていってもらったのが,この発表でした。
> (yd氏の後輩の発表)懐かしいです。
> 
> > 写角46度前後のレンズ(35mmカメラでf50mm前後のレンズですね)の解の中に、
> > テッサータイプ、ダブルガウスは勿論でてくるのだが、
> > レトロフォーカスタイプもちゃんと現れる、あれは、やはり合理的な設計思想だ、
> > という話でした。
> > 面白かった。
> 
> その発表では,
> コンピュータがゼロからはじき出したレンズタイプの図のあとで,
> 歴史的なレンズの図が出てきて,昔の人達がアタマをひねって考えた
> のと同じ結果がでましたよ,という説明があったのですが,その
> 内容にyd氏の影響を感じましたね。

この件はいろいろと面白い話があります。
  遺伝的アルゴリズムでは、像面にどれだけ焦点が小さくなるかと
  ディスト-ションが少なくなるかだけを評価値にして、レンズの曲率と間隔を
  ランダムに発生させては、評価によって、生き残りを決めて、次世代を生き残り
  から発生させていきます。 (レンズ枚数は始めは固定で入れていたと思う)
  日浦Rさんが書いたように全くゼロからのスタートでOK。

  そして、焦点距離・画角・(フィルムサイズ)を決めると、あら不思議。

  やはりゾナーになったよ! ホロゴンが出てきたよ!  となります。

これを光学設計の大御所がいる学会で発表したら、意見が真っ二つになったとか。
  このようなのは設計ではないとの意見と、すばらしいという意見ですね。

> 確か,レトロフォーカスタイプについてはバックフォーカスの制限を
> 加えていくと自然に・・・という結果だったと思います。

制限を加えていくと行き着くところに行くし、私の興味は、レンズをn枚のときに
焦点の大きさを横軸、ディストを縦軸にとると、限界線が出来ることでした。
  つまりは、両立の限界がわかること。
もう1つは、全くの新設計が生まれるか?
  これについては、まだ結論が出ていませんが、有名な設計は先の限界線の上に
  載るような、まとまった良い解でした。
    昔の設計者はどうやって解にたどり着いたのでしょう?

> Nikonの光学関係の設計部長さんもご出席で,ステッパーの複雑な
> レンズの設計に応用できれば良いのだが。。。とおっしゃってたのが
> 印象的でした。

これもそれなりに出来ますが、やはりノウハウがあり、ゼロからの出発では収束が
遅いので、人間の方が速いですね。
  しかも、もっと見なければならない条件もあって、そこまでは試したかは不明です。

ydの後輩はその後、高知大学(?)に移って続けていると思います。
  色収差も評価値に入れていたようです。

#レンズの自動設計はそれぞれのソフトメーカでやっていて、遺伝的アルゴリズムを
 使うようなグローバル探索ではなく、ローカル探索に力をいれています。
 (それが実用的であるからっす。)

では。