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[nikomat 37442] Re: F4のスクリーン



日浦Rです。

At 2003/05/13 15:59:18 SATO Yoshiyuki wrote:
> 自分で調べるときには、機種が違うと露出計の測光感度分布が異なるので、
> なるべく同じ機種で、光源や情景を変えて色々比較するのがよいと思います。
> 
> いや、まあ、そこがいい加減だと、
> 「(多分:ネガを使うなら)補正必要ないですよ」という
> 店員さんのレベルと同じになるから、、、(^^;

ですよね。気にするなら徹底的に各レンズごとの傾向を調べる
必要があるし,そうでないなら1/3ぐらいの誤差は御の字,
と考えるしかないですね。

一眼レフのファインダスクリーンを介した露出計は,レンズの
開放F値やそのほかの光学特性によって出る値にかなり大きな
ばらつきが出ます。

たとえば,拡散特性が均一な擦りガラスのようなスクリーンだと,
開放の絞り値が1段変るごとにスクリーン上の明るさが半分,半分,
と暗くなっていきますが,最近の明るいスクリーンだと,たとえば
F5.6付近まではあまり暗くならず,これを割り込むと急に暗くなる
・・・という特性になっています(拡散性が低い)。

こういうスクリーンだと,開放F値からの絞り込み段数をレンズから
ボディに伝達するインタフェースだけではダメです。
(開放がF1.4のレンズとF2.8のレンズで,実際の明るさは4倍も違うのに,
見た目の明るさがあまり変らない=露出計に入ってくる光量があまり変
らないので,これが誤差になります。実際は,露出計の受光素子はアイ
ピースとは違う位置にあるので,マイクロプリズムの「かげり」と同じ
ような現象もあるので,F2.8のレンズだと,F1.4と同じような明るさに
見えるのではなく逆に,測光素子から見ると真っ暗になっているかも
しれません。ボディの作りによります。また,マイクロプリズムや
スプリットプリズムの影響も受けます。)

それで,Ai方式でもボディによっては(明るいスクリーンが入っている
AFのボディなど?良く知らない・・・)レンズの開放F値も読みとって
このスクリーンの非線形特性を補正するわけですが,F2のファインダー
では擦りガラスに近いスクリーン(線形な特性のスクリーン)を仮定して
おり,このような補正機構が無かったと思います。(あってるかな?)
Aiでないガチャガチャっとやるファインダーでも,露出計が最終的に
使っているのは開放F値からの絞込み段数だけだったと思います。
(あってるかな?:このあたりのメーカ依存情報はフォローきぼん)

ということで,今回のようなケースで正確を期するならば開放F値ごとに
補正データを作る必要があると思いますが,そこまでボディの露出計に
頼らないのがいいような気がします(個人的には)。

さらにややこしいのは,開放F値による補正が付いているボディで特性の
異なるスクリーンをいれた場合です。最近はボディのカスタムファンク
ションでスクリーンの種類をいれるようになっているメーカもありますね。


ボディ測光でもいろいろと難しい問題がありますが,満遍なくいろいろな
角度からの光に感知するような受光素子を,フィルム面の近くにもってくる
方式が低輝度にも強いし,一番確実な気がします。M5/CLの腕木も
そうですが,SLRでもR8/R9のスポットはそうですね。R7までと
同じような反射板がありますが中央に受光素子が埋め込まれています。
中判のローライ6008iのスポットも,ミラー背後の遮光シャッターに
ミラーがあり,それでメインミラー背面の素子に光を送るようになって
いますが,遮光シャッターがメインミラーとフィルム面の中間あたりに
位置するため,ちょうど受光素子がフィルム面に相当する距離になって
います。これは,良く出来ているなあと感心しました。

国産の最近のSLRはレンズにいろんな補正データを内蔵させて,これを
フル動因して誤差をなくす方向ですから,日欧の考え方の違いを感じます。