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[nikomat 44235] Re: A級アンプ
Thommo、っす。
> > > オーディオ信号は0V付近で信号増幅するとノイズも増幅されるので、
> > > プラス信号とマイナス信号をそれぞれ基準レベルを
> > > プラス方向とマイナス方向にシフトして増幅します。
> > > その後、基準レベルを合わせて足して信号にします。
>
> ちょっと違うような。やまださんの [nikomat 44172] があっていると思いま
> す。
そうですね、A級とB級の違いは、ノイズとは無関係だと思います。
以下が私の解釈です。
アンプからのオーディオ出力信号は、グラウンド(通常は0v)を基準に、Aoutボル
トの振幅(つまりプラスとマイナスの電位を持つ)を持つ電圧で、アンプの終段は、
負荷(スピーカなど)に対して、その電圧に応じた電流を供給するのが役割です。
半導体アンプの終段は、そのプラスの振幅とマイナスの振幅の増幅用に、それぞ
れ別の半導体が用いられています。これは、プラス領域の増幅と、マイナス領域
の増幅を一つの半導体で行えないからです。
これを、素直にプラス領域とマイナス領域とで役割を切り替える(つまりどちら
かの半導体は必ず気絶している状態)と、切り替わる際に、半導体の非線形性に
起因する歪が発生します。
これは出力の電圧に比例せず一定なので、特に出力が小さいときには相対的に歪
が大きくなります。
上記のように役割を切り替えるのが、B級動作です。
これを防ぐため、それぞれの半導体に、バイアス電圧Bbiasを掛けてあげます。
すると、半導体は、それぞれプラスまたはマイナスの領域で、全ての信号を増幅
できます。つまり、役割を別けずに、それぞれ動作可能な領域で同じ増幅を行う
のです。
そして、正負の出力を合算させると、バイアス電圧が正負逆なのでキャンセルさ
れ、Aoutのみが出力されます。
全ての領域で|Bbias| > Aoutが成り立つのがA級動作、一部のAoutで成り立つの
がAB級、BbiasがゼロなのがB級動作です。
バイアス電圧を掛けている分、それに応じた電流は半導体に流れているわけで、
それが損失になります。バイアス電圧が高いA級が最も大きくなるわけです。
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^ ^ Tomosuke Takanashi / Thommo
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