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[nikomat:04050] Re: Split Prism
よしだ@ないこん です。
In message <9706140500.AA20549@bukko.bk.tsukuba.ac.jp>
"Tamotsu KOYANO <koyano@bukko.bk.tsukuba.ac.jp>" wrote:
> 日浦さん@京大がfjに投稿した、球面収差が大きいレンズのピンを
> スプリットプリズムで合わすとき、目の位置がスプリットの合致に影
> 響を与える(=ピンぼけになる)、という説ですが、
> Σの28−70/2.8@70mm+F2 Lスクリーンで確認しました。
>
> これが、馬込さんが書いておられた、高倍率ファインダーで視度をず
> らすとスプリットがずれる、に関係があるのでしょうか(視度をずら
> すときに目の位置がずれたとか)?
>
> #この記事、MLにも載せませんか−>日浦さん
>
> コレに関連した質問をひとつ。
> ”球面収差があるレンズのピントって何だろうか?”
日浦(兄)さんに先立って。。。
以下、fj(私の記事)より
-----------<begin begin begin>----------------------------------------
よしだ@ないこん です。
球面収差のことを言ってたのですね。
私のKWのカメラは、それ以前に ファインダースクリーンのほうが
抱えている問題で 似たような現象が起こっているように思います。
最近のSLRに比べると径が3〜4倍位のスプリットプリズムです
し、砂ズリ硝子マットとコンデンサーレンズを1つの硝子材で構成
しているという最も原始的な構造ですから。
HIURA Shinsaku <shinsaku@vision.kuee.kyoto-u.ac.jp> wrote
in article <5nrcp6$cl5@kuee.kuee.kyoto-u.ac.jp>...
> 自己フォロー:中心光束は F5.6 付近だったかも。
最近のものは 一般に このあたりですね。
> 「うそー」って思う人は一度手持ちのズームレンズ+MFカメラで試して見てくだ
> さい。で、もしも全域で発生しないようなら教えてください。球面収差がフルコ
> レクションだということです。買うかも。
一般に...ですが、f4とか f5.6より小さい光束を見て球面収差がゼロ
であるようなことは無いと思います。
逆に全く補正しないと、そういうこともありえます。
その代わり、f2.8→f2→f1.4 でどんどん球面収差が+になっていき
ます。その量にもよるけど、これじゃぁヤバイ。
で、補正をかけると、f8あたりから f5.6方向に(球面収差の)縦軸を
辿るにつれ ジワジワと−方向にずれて、f5.6あたりで変極点、f4あ
たりで−方向の極値を取り、今度はどんどん+方向に傾き(上に凸)
を強めながらf2.8〜f2あたりで零交差し、f2では+に出て、1.4では
更に+に出るという感じになります。
# Sonnar f1.5は、f2で もう少し+に出るが、そこで再び−方向に
# 向かい、f1.5では 若干−あたりまで戻ってくる。それが開放だけ
# に独特の描写を生む(嫌う人は嫌うが、面白い写りではある)。
# ちなみに f2のSonnar は こうならない。
このf1.4での+への吹っ飛びが大きいと、2線ボケが目立ちます。
それで。。。ですが、
ある程度細い光束は被写界深度が深いので、多少プライオリティを
下げても問題ないわけです。また、撮影の頻度から 開放の光束も
プライオリティが下がるかもしれません。
スプリットプリズムが f5.6あたりの光束を使っているというのは、上
記のような一般的な 球面収差の(補正後の)出方や、各光束のプ
ライオリティなども考慮して決めているに過ぎないと思います。決し
て、f5.6より小さい光束が 球面収差ゼロでないことは、雑誌などで
も紹介されている球面収差曲線を見れば明らかです。
また、こういう設定だからこそ、開放で撮る人は マットを使うことに
なります。勿論 近代的なマットには、マイクロプリズムを微細にした
だけのもの(明るくはなるし、そこそこにピン出しも し易い)とかもあ
ります。昔乍らの砂ズリの硝子マットが良いのだけど、あれは暗い。
「昨今の最上位機種に付いているようなマットであるなら、ピン出し
は、マット面上で、若干 赤いニジミが出たあたりが良い」と、プロ
カメラマンの中でも特に目が良いと言われている人から聞いたこと
があります。(以下、後述)
話が脱線しましたが、
> F値が 2.8 - 4.5 ぐらいのレンズで、手っ取り早く球面収差をチェックする方法
>
として有効です。中古レンズを買う時などにどうぞ。やったことはありませんが、
開放f値が暗いレンズでは、前述の収差曲線もまた f値の暗いほう
へ縮小されますので、同様に f5.6 あたりの光束を捕まえてしまう
プリズムで見てしまうなら 変化が大きくなる可能性は高まって当然
とも考えられます。
> あと、縦色収差(軸上色収差)があると、スプリット上の白黒の縁に色が見え
> たりすることがありますね。
各収差が真に0なんてこおはないので、多かれ少なかれ、この収
差も残っているはずです。
前述のプロだと 50/1.4の単焦点レンズでも これを たやすく見るこ
とができるのでしょう。
こういう場合は、縁に緑が出ている処で合わせるのでなく、その緑
でピンを出し、赤が(この場合だと緑とは逆側に)出た処で合焦だと
判断すると 良い...ということになります。
日浦さんの言うF3ですが、普通のマットでも、(6倍とかの)高倍率
ファインダー付けると 普通の人でも こういう現象を 見易くはなります。
一般撮影には 各メーカーとも容易している アイピース付けのマグニ
ファイヤー位でも 十分だと思いますけどね。
接写を やられる方や ピンに拘る方には 力強いアイテムですね。
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<yd@nikongw.nikon.co.jp> Nikon Corp.
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吉田幸司 Dr.Eng. 1960.03.26生♂ Rh+O (株)ニコン 精機第3設計部
e-mail:yd@nikongw.nikon.co.jp 第3システムGr.
tel:03-3773-8502 fax:03-3775-9042 知能システムR&D室