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[nikomat:14046] Re: [lens]tone?
日浦@Z会です。
Tamotsu KOYANO <koyano@bukko.bk.tsukuba.ac.jp>:
>しかし、丹後屋旦那がおっしゃる、トーンの違いというのは
>どうやればわかるのでしょうか?
>解像度とか歪曲はわかりやすい、定量化まで出来るんですけ
>どねぇ。
定量化が出来るとすれば,MTFか,ベイリンググレアのコントラスト
測定ぐらいでしょうか。
>それで、宣伝や雑誌記事で”ツアイスレンズはトーンが云々”
>といわれると急に白けるというか、眉唾になるんです。はい。
>正直に言うと、それが理由でZ会に入らないんですよぉ。わ
>からない特徴で高い物を売る、という姿勢が気に入らないと
>言うか。SWCみたいに抜群の解像度、と言われると納得す
>るんですけどね。
御意。よくあるのが,「コントラストが強すぎないから,
影の部分にもトーンが残って云々。」これはおかしいんじゃないの?
フィルムの特性と,レンズの特性を分けて考えなくちゃならないん
でしょうが,レンズだけで考えると当然被写体の照度比が100%保存
されてフィルム面に映し出される「コントラストが強い」レンズの
ほうが確実にフィルムに暗部のトーンを写し込むはず。
暗部がフィルムかペーパの特性の足部にあたるばあい,ベイリング
グレアで全体を持ち上げたほうがトーンが残るんじゃ?というなら,
フィルムのほうがペーパーよりラティチュードが広いから,印画紙の
号数を少し下げるか焼きを浅くすればよいんだけでないかい?
と思いますね。
つまり,レンズは100%のコントラスト伝達をしてくれれば,あとは
フィルムなりペーパなりで操作する余裕がたくさん残されてると
思うわけです。オーディオで言うと,低インピーダンスで伝送した
ほうが伝送路でのノイズ混入が減るようなものかな?
と,考えると,もしツアイスレンズのコーティングなり鏡筒設計が
よくて,ベイリンググレアなどによるコントラスト低下が少ない
とすると,あとはうまくフィルムを選んでうまくプリントすれば
「ツアイスレンズをうまく使ってトーンのよいプリントが出来た」
となるかも。
ネガカラーならリアラAceなどのコントラスト低めのフィルムと
組み合わせるとか。
#SWC + T400CN + IlfordMGIV の組み合わせは
#なかなかよいですよ。
>それはツアイスの姿勢と言うより京セラの売り方なんでしょ
>うね。日本人って、世の流れに流されやすいから、マスコミ
>を利用して”コンタはトーンが良いんだぁ”という雰囲気を
>作り出す。ところが、トーンはわかりにくい。だから、使っ
>ている人のうち殆どの人は”俺のレンズはZだ。で、この写
>りだから、これがきっと良いトーンなんだ”と洗脳される。
でしょうねえ。「MTFとは,コントラスト低下率のことで...
コントラストの保存を重視したレンズ設計で....」というのを
勝手にカタログ的に解釈して「トーンがよい」なんてことを
書いたんでしょう。ちょっと飛躍がありますよね。
>たとえば、同時代に製造された(これは重要)ZとNの同一
>焦点距離・F値レンズを同じ位置からほぼ同時に同じ露出、
>同じ乳剤番号、同じ処理のネガやスライド(プリント不可)
>で調べる(すなわち”写真の撮影”ではなく、物理の実験と
>して撮影する)ユーザーは滅多にいないでしょう。だから、
>踊らされやすいというか。
これならスフィアを使ってベイリンググレアの測定をしたほうが
よいですかね。
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日浦 亮太 Ryota Hiura
三菱重工業(株) 高砂研究所 機器・自動化装置研究室
email : hiura@trdc.mhi.co.jp (Office)
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