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[nikomat 1159] Re: symmetric or asymmetric



ひうら@きょうだいです。

まず、レンズのパワー配置について。
(よって瞳位置に関係する絞りの配置はここでは関係ない)

望遠型というのは、前半に正、後半に負のパワーのレンズを
配置して、焦点距離に較べ全長を短くしたレンズ。

レトロフォーカスは逆に、前半に負、後半に正のパワーの
レンズを持ってきてバックフォーカスを大きくしたレンズ。

対称型は、前後のレンズの配置を、文字通り対称型に
することで、発生する横収差(画像の面に平行な方向の
収差:歪曲、非点収差、横色収差など)を打ち消そうとした
構成のこと。よって、必然的に、全体としてのパワー配置は
対称になって、望遠にも逆望遠にもならない。

ただし、望遠型でもレトロフォーカス型でもないからといって
対称型ではない。なぜなら、前後のパワー配置が比較的均等
でも、レンズの配置の方法などが異なると収差の発生の仕方が
異なるからです。

次に、絞りの配置について。

通常レンズの外部に絞りを置くことはほとんどない。
よって、レトロフォーカス型では、絞りの後ろが正(凸レンズ)に、
また望遠型では負(凹レンズ)のパワーを持つことがほとんどである。

この場合、射出瞳位置に関して、前者は比較的前方に、後者は後方に
形成されることになる。そして、第2主点位置はその逆方向に
移動するので、結果として主点と瞳位置は離れる傾向にある。

という事実を書いただけの積もりです。

> > # 対照型の定義さえ 拡大解釈しそうな文章の意味するところを
> > # 尋ねるために、その対照型 という言葉を用いてしまっては、
> > # 論理性のある答が 得られないのでは? :-p

拡大解釈しそうと言われてしまってはなんとも言えませんが・・

主点位置と瞳位置の関係が決めるのは

○マクロ撮影時の実効F値の変化
○マクロ撮影時の像倍率の変化

などです。これは対称型とか、非対称型とかそういうのは
無関係です。ただし、この観点で言えば、テッサーは
対称型と似た振る舞いをするという程度です。

# これに較べて、レトロフォーカスレンズでは、実効F値も
# 変化する量が小さいし、像倍率の変化も小さい。

描写に影響すると思われる収差についてはあまり関係ないと思います。

> で、聞きたかったことは、
> 対称型レンズの特徴とされている、いくつかのことども
> たとえば、近接でも像が崩れないとか、
> 前群の諸収差が後群の収差でキャンセルできるとか、
> 絞っても、焦点の移動が少ないとか
> そういう性質の幾つかが、「射出瞳位置とレンズの第2主点が近い」
> ということにより、ある程度まで達成できるんでしょうか?
> ということです。

一番目の条件はどうかわかりません。

2番目の項目については、対称型ではなんにも考えなくても
ある種の収差については、前後のレンズが符号が逆の収差を
発生して打ち消し合うことが出来るため、設計が簡単になる
ということであって、非対称のレンズでは収差がキャンセル
できないということではありません。

また対称型でも縦収差(縦色収差、球面収差など)は、
勝手にはキャンセルされません。

焦点移動についても、(これは球面収差の問題なので)
あまり対称型かどうかは関係ないと思います。

あと、レトロフォーカス型ではどうしても近接時に
像面湾曲が発生しがちですが、これは対称型では
起こりにくいとされています。

では