[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[nikomat 1174] Re: symmetric or asymmetric



ひうら@きょうだいです。

よしださん:
>  > 拡大解釈しそうと言われてしまってはなんとも言えませんが・・
> 
> 写真レンズの大家が書いた(あの世界は職人堅気&権威主義なので、
> これに書かれていることは「通説」で通ってしまう)モノを兄じゃ
> には 進呈したはずで、あの書物にも "symmetric lens"の項が
> ありますよね。
> 
> # んで、Tessar は 入っていない。

だから、・・・元の news の記事では「対称型とはちゃう」
って書いてますよぉ。

ただ、広角レンズのことを、対称型ではない、って書くと、
「じゃ、レトロフォーカスなんだ」と解釈する人が多いので、

  「レトロフォーカスなら対称型ではないが、
    対称型でないならレトロフォーカスとは限らない」

ということを書こうとしたんですって。

==== 元記事 ==== 
>> これって、Lマウントの物も対象系なんですか?
>> 私の所有するものは
>> W-NIKKOR・C 1:3.5 f=3.5cmと書いてあるんですが。

F2.5 のものはガウス型ですが、F3.5 のものは
テッサー型です。

で、テッサー型を対称型と呼ぶかどうか・・ですが、
普通は対称型に分類しないですね。

ただ、射出瞳位置とレンズの第2主点が近いという意味では、
対称型に近いと思います。
(望遠型でも、レトロフォーカス型でもないという意味)

==== ==== ==== 

確かに、あんまりいい表現じゃないんですが・・

> 脱線しますが、凸凹凹凸 というのは、今や(固定焦点の場合の)
> 基本型になってます。

正 負 正 の配置は

○ 大口径レンズにおいて、中央部の像高が小さいため
   絞りの配置がしやすい

○ 負のレンズを通過する像高が低いので、強い負の成分を
   配置できペッツバール条件を満しやすい

○ 対称型の配置も可能である。このとき横収差が軽減される

という利点があるからですね。

対称型、と呼ぶからには、こういう、単なるパワー配置ではなくて、
前後の各面と、その面間の屈折率(硝子の材質)が似通っていて、
そのため、前後で対応する面同士の収差が打ち消し合うような
構成のことを言う・・というのは、前にも書いた通りです。

> 自動設計やっていて観測された(んで、プロにも「経験的に そうだ」
> と確認した)んですが、光束の端が 入ってくる角度が、境界面に
> 対して 外側に寝ていると 評価関数空間が 恐ろしく多峰性になり、
> パラメータ空間を限って見ると、その面の曲率、その面を含む面間
> 距離 に対して、この多峰性が生じているようです。
> 
> 「製造誤差を考慮した設計」の側から見ると、やはり「瞳の位置側
> に 曲率中心がある」というのが 公差を緩くできるようで、量産
> 向き(=性能が安定)のようです。

面に対して通過光束が寝てくると、強い収差を生みますもんね。
で、こういう面があるとすると、他のところで、ここで生じる
収差をキャンセルアウトするような構成になるはずですが、
一般にそういう演算はノイズにシビアになりますからね。
桁落ちです。

この間の、アポクロマートの話でもありましたが、
強いプラスとマイナスを組み合わせて小さな値を取り出すような
設計になるということではないでしょうか。

では