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[nikomat 3019] Repair the corroded prism.
清水＠三菱化学です
少し前に投稿した FT2 の腐食プリズムの修理の件です。「我楽多屋」
の場所を御教示下さった皆様有り難う御座いました。
さて、移植用プリズムのドナーは見つけていないのですが、見つかる
までの間に、自力でプリズムを再生しようというチャレンジをしました。
完璧とは言えませんが、「見え」については正常な純正品と殆ど分から
ない状態に修復できました。露出もずれていないようです（今度ＳＣで
確認して貰うつもりです）ただ、銀膜の保護（と、不要面のブラック
アウト）には、艶消し黒のラッカーを吹いたダケですので、耐久性という
点では純正より悪いと思います。参考までに手順を書きます。やや長文
ですが、御容赦下さい。
１．プリズムブロックごと、アセトン 100ml に一晩沈めて、保護塗料を
除去、アセトンで流した後水洗し乾燥
２．同様に希硝酸 100ml に一晩沈め、銀膜を除去、水洗し乾燥
３．硝酸銀 1.7g を水に溶かして 50ml にしたものに、28wt% アンモ
ニア水を清澄溶液になるまで滴下する（液Ａ）
４．ブドウ糖 1.8g を水に溶かして 50ml にする（液Ｂ）
５．プリズムのミラー面以外をマスキング
６．Ａ液にＢ液（全量）を混ぜ「すぐに」プリズムを液に沈める
（適度に液を揺すって混ぜながら反応させる）
７．１時間後（温度等によりそれ以上）プリズムを取り出し、水で洗浄
８．スクリーン面とアイピース面をマスキングし、艶消し黒のラッカー
スプレーで塗装し銀膜を保護、不要面のブラックアウト
=> 完成
やってみようという方（いないか ^_^）に…
＊プリズムに糸を付けて、溶液中に吊すようにすると、沈めるのが楽
（容器と接触させているとその面の銀鏡がムラになりやすい。
＊マスキング不備で銀膜が漏れ付いた場所については、硝酸を含ませた
綿棒で拭けば簡単に除去できます（当然その後水洗）
＊Ａ液は長期にわたって保存すると爆発性の物質ができるので、作り
置きはしないで下さい。
＊私はポリエステルテープでマスキングしましたが、ものの本に依れば
低融点の蝋（パラフィン）を暖めて溶かしたものを塗って、剥離時
にはお湯に浸けると簡単らしいです。
＊廃液は銀を含みますので、フィルムの現像廃液と同様に処理して下さい
（自家現像される方は、どうされているのでしょうか？）
＊試薬代は、この１回分で千円ちょっとです。でも、硝酸銀は 25g 単位
でしか売っていないので、一瓶買うと程度の良い FT2 が買えてしまい
ますね ^_^;) １回分をパックして売り出そうかしらん〜
ファインダーがすっきりすると気分の良いものですね。やる気（撮る
気）は俄然盛り上がります。腕はダメだけど…
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三菱化学 鹿島事業所
清水宏祐
kosuke@rc.m-kagaku.co.jp