[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]
[nikomat 3090] [--yota][SL & Renketuki] Kuten & Sunamaki
宮崎っす。
長ヨタ脱線空転、鉄ネタで済みません。
まつしたさん:
> TVの銀河鉄道999のオープニングの時のあれでしょ。
うーん、999はどうだったかなあ...
確かにそんな気がしますが。
> 動輪の最初の回転が少しスリップするのって、実際そうなんでしょうか。
私自身はじっくり見た事はないのですが、蒸気機関車の場合はあまりしな
いと思います。最初から空転すると、列車自体の引き出しは難しいでしょ
う...でもじっくり見たことはないです。
いや、どうかな?
実はどの列車も、ほんの最初の部分で滑っているかも...
で、以下どんどん脱線&空転。
空転は、
・牽引する貨物(旅客)の重さ
・気象条件(レール面が濡れているとか、霜が降りているとか)
・勾配
・カーブ(急なカーブはかなりの走行抵抗)
・機関車の種類(同じ種類でも、カメラ同様当たり・外れがあり)
・機関車のその時の状態(結構大きい要素/特に蒸気機関車)
・機関士の腕(実はこれがかなり大きい/特に蒸気機関車)
等の要素が絡み合って起こります。
起こりやすい状況は、重い列車を停車状態から引き出す時と、勾配区間です。
蒸気機関車が発車するシーンは良く撮りますが、発車する地点から少し先
で構える場合が多いので、僅かな空転は分かりません。煙が良く見える状
況ですと、空転すると急に黒煙が吹き上がり、激しい空転音がしますので
大体分かります。
動力を分散させている電車・気動車の方が基本的にはスリップし難いよう
ですが、1軸だけのスリップは起こりやすいようで、雨の日とかの電車で
は床下のモーターが唸っているのを聞くことがあります。
機関車の場合ですが、動輪上の重量が軽いほど、また動輪数が少ないほど
空転は起こり易くなります(あまり、つっこまないでね)。
そういう意味では、蒸気機関車は動輪径が大きく動輪数が少ないので空転
し易いという事になり、実際よく空転します。動輪が全輪ロッドで連結さ
れているので、空転する時は全輪空転しますから、見ていても空転するの
は分かり易いです(電気やディーゼルの空転は、起きていても気付き難い
と思います)。また、近年の電気機関車には回転数を検知する装置があり、
空転防止の機能が働きます(ディーゼルは知りません)。
と、書いてて思ったんだけど、気付きにくいだけで、実はELもDLも結
構空転していたりして...
蒸気機関車に限らず、機関車の場合は空転を避けるための滑り止めとして
砂を積んでいまして、発進時や登坂時には線路上にばらまいています。
そのため、車体のどこかに砂箱を設け、機関区で整備を受ける時は補給し
ています(今の機関車でも)。
昔話ですが、受験会場で砂を撒いた鉄ちゃんがいたとかいないとか...
重貨物列車が多く走る急勾配路線では、撒いた砂が線路沿いに散らばり、
白くなっていたりします。
東北だったと思いますが、ヤスデが大発生して山間部の勾配区間の線路を
横切り、そこを通りかかった列車がヤスデの脂で滑って、坂を登れなくなっ
た話がありました。
中国の場合ですが、路線にも寄りますが峠越えでは良く空転しています。
サミット近くのお立ち台でカメラを構えていると、遠くに煙が見えてか
ら暫くしてドラフト(ボッボッと言う排気音のこと)が聞こえ始め、
少しずつ近ずいてきます。登坂に合わせてドラフト音が大きくなってきま
すが、歯切れのいい音が次第に遅くなったかと思うと急に空転が始まり、
独特の連続音が山にこだまします。
普通はその後、空転を何とか押さえ峠を越えていくのですが(ここが機関
士の腕の見せ所)、空転が止まらず、とうとう列車が完全に停止してしまっ
た事が一度ありました。撮影地点の数百メートル手前でした。
暫くは何とか引きだそうとしていましたが、結局諦めたようで、重連
(3,600馬力の機関車2台)が牽引する 2000tの長大石炭列車は、何と
そのまま1〜2Km後退して前の駅まで戻ってしまいました。通常、後退っ
てよほどの事がないとやらないと思いますが(よほど事とも言えますが)、
ちょっと驚きました。
駅に戻ったその列車は、後続の2列車を先に行かせ、その間に石炭を焚き、
蒸気圧を十分に上げてから発車、今度は無事に坂を越えていきました。
(株)リコー 秦野事業所 宮崎 昭彦
E-mail:amiyazaki@nts.ricoh.co.jp