[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[nikomat 8765] Re: Engine brake



よしだ っす。

# 私は きっと 説明が 下手なんだろうなぁ。。。(--;;

言いたいことは、、、

「全輪接地している限り、バネの伸縮により 姿勢変化する」
ということです。

# ここまでは 同意を得ているんでしょうね。

んで、バネの伸縮を起こさせる力は 荷重 です。
(というのが サスペンションです)

# ここに 疑問を 持たれているんでしょうね。

In message <199910080610.PAA25012@ml.asahi-net.or.jp>
   "[nikomat 8715] Re: Engine brake"
   "Koji YOSHIDA <yd@nikongw.nikon.co.jp>" wrote:
 >  >  > でも,yd氏が言われるような下記の効果は?です。
 >  >  > リア輪のエンジンブレーキ+アンチリフト効果で姿勢変化は抑えられるが,
 >  >  > あくまでリア輪の接地圧は増加しません。
 >  > 
 >  > では、リアサスペンションを縮ませる反力は どこが 受けているのでしょう?
 >  > 
 >  > トレーリングアームのボディ端でしょうか?
 >  > もし、トレーリング アーム端なら トレーリングアームには
 >  > 相当の 曲げモーメントが発生するはずですが。。。

下図の項像を持つ 簡単な模型として、Aにモーターをダイレクトに
置きます。リンク AC は 点A において、点A周りにフリーであり、
かつ 点C において 点C周りにフリー です。
(つまり、点A と 点C の連結部は ベアリング だと 思って良い)

この模型でも トレーリングアームは 機能します。

4輪の ばね同一の特性のもので、4輪の車重配分は、停止時に均等で
あり、それぞれ 力:F0を受け、自然長から 10cm 縮むとします。

 >  >                             ↑
 >  >                             ○ C
 >  >          A ○→
 >  >             |
 >  >             |
 >  >          B +


<お話1>
このような車を 4輪同時 緩やか&一定減速になるように制動したら、
自然長からの 沈み量は F 16cm, R 8cm に なったとします。

# まず この時点で、「 F:16cm なら R:4cm では?」と 思うようなら
# <お話2>は 飛ばして、<お話3>へ 行って下さい。

<お話2>
同じ 減速をするように 後輪ブレーキだけで 行ったら、今度は 
F: 12cm, R 12cm に なった とします。

となると、きっと Fだけのブレーキで 同じ減速をさせるなら、
F:16cm越、R:8cm未満 の 沈み込み量に なるでしょうね。

<お話3>
上記の図を B点中心に 考えてみます。
B点中心に考えると、、、
「トレーリングアーム というのは、減速による力を、車重と合成
して上向きに変える」ための リンク機構 と 言えるでしょう。

まず 前輪だけで減速した場合、接地点よりも 重心Gのほうが 上です
ので、Aはリフトしようとします。この力の源は、減速に伴う、前輪の
接地点を中心とする瞬間中心周りのモメントですから、点Aには、やはり
前輪の接地点周りに 上(上手だと 真上より ちょびっと 右)に リフト
しようとする力:FPが 加わります。

そのため、前輪だけで減速した場合だと、B点には、Aから受ける「FO
 − FP」が掛かります。
この結果、外から見ると、前が沈んで、うしろが 持ち上がったような
ピッチング・モーションが 観測されます。

今度は リアだけで 制動しましょう。
今度は「重心Gの B点周りのモメント:MB」が 発生し、点C には
MBから 発生した力で 下方(上図では 真下より ちょびっと 右側)
へ 押し付けられます。

# このとき、同時に、前輪も MBにより 力FF を 受けて 沈み込みます。

ところで、A の上には バネが あり、その上端は Cと 同一構造物で
すので、C に掛かった力は ばねを 解して Aに 伝わります。この力を
FC’ と しましょう。

つまり、Bには、「F0+FC’」が 掛かります。

結果的に、 外から見ると、前輪も後輪も 沈んだように見えます。
どっちに ピッチングするかは、FF と F0+FC’ の 大きさの
比で 決まる(現実の車両では ダンパーもあるし)ため、一概には
言えません。

と、いうことで、B点中心に考えると、
「力の変化が あるから 姿勢が変わる」
ということになります。

# つまり、姿勢変化 と タイヤの面圧変化は 同時に起こっているのです。


-----
 吉田幸司  (株)ニコン  zip.140-8601  <yd@nikongw.nikon.co.jp>  
         精機事業本部 半露3-9G | 技術開発本部 技開2-2G
  voice: 03-3773-2846             | 03-3773-1111 (ex.2772)
  fax  : 03-3775-9042             | 03-3773-1167