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[nikomat 13132] Photographers in MLB(very long!)



小城@Setshopセールに10分しかいられなかった です。

さて、去る2/29から3/8まで、アメリカMLBのキャンプ取材に行っておりました。
そのとき見かけた・話した同業者の話なんぞを書いてみたいと思います。

#ジツは3年前、某S**KONの談話室に同じネタで書いたことがあったので、また
#あちらに書こうかと思ったのですが、最近どうにも荒んでしまってこの手の話
#をできる雰囲気ではなくなってしまったので、こちらに書かせていただきます。

<デジタル化が進むアメリカ・銀塩にこだわる日本?>
今回取材に行ったのは
2/29〜3/3 Detroit Tigers(LAKELAND,FL)
3/4〜3/5  Seattle Mariners(PEORIA,AZ)
の2チームでした。
既にご存じの通り、野茂・木田・佐々木といった選手達が所属するチームですの
で、日本から行ったメディアもいれば現地のメディアもいるといった具合でした。
中でも野茂と佐々木は現地メディアからも「有名選手」として、動向をマークさ
れているようでした。

現地でのメディア構成比は、
アメリカ>AP、本拠地地元の新聞(Tigersはデトロイトの新聞、Marinersはシア
トルの新聞)、チーム付きのカメラマンなど、合計3〜4名
日本>スポニチ、報知、産経、文春Number、他はフリーで合計8〜10名
と言った感じでした。

3年前と明らかに変わったなと思ったのは、アメリカメディアの殆どがデジタル
化されていたこと。一番見かけたのはコダック・ニコンのF5ベースのやつでした。
APはまだ全部が入れ替わっていないようで、F5ベースのやつもいれば、NC2000e
のやつもいるといった感じでした。
(ただF5ベースの奴は200万画素にも満たないはずで、でもこれから印刷データを
ちゃんと起こしているアメリカの技術は日本よりもすごいのか??)

Detroit Tigersのチーム付きのカメラマンとは、泊まっていたホテルが一緒だっ
たこともあり、色々機材談義をしたのですが(3/1の試合など、木田投手の登板
まであまりにもヒマだったので、レンズの貸し借りまでしてた、、、)、彼曰く
「D1は絵もきれいだし値段も安くなったのは良いけど、ボイスメモが付いていな
いのが惜しいんだよねー」だそうで。
私などはまだゲームの途中でデータを消す度胸がないので、とりあえずカードが
満杯になるまで撮ってからHDに落としているのですが、既にデジタルカメラのオ
ペレーションに慣れている彼らの場合、ゲーム中にボイスメモを使ったり、一部
データの消去などもやっているようです。
確かボイスメモの機能は日本ではあまり使われていないと聞いているのですが、
一体何がネックだったんでしょうかね?>識者の方

日本メディアでデジタルをメインに使っていたのは、産経新聞の尾崎修二カメラ
マンただ一人だったようです。彼は佐々木投手のキャンプインからずっとあちら
に滞在しており、連日かっこいい写真を配信していましたがその全てがD1だとは
話を聞くまで気付きませんでした。私も出発前に関係各社に「D1の画像使いませ
ん?」と営業をかけたのですが「急いでいないから銀塩でいい」だったもので、
現地絵日記に使うしかありませんでした(;_;)。

その他の社は、全て従来通りの「銀塩ネガ撮影>手現像してスキャン>画像デー
タを送信」で対応していたようです。報知の安藤カメラマンなどは、時差から
考えると日によっては殆ど寝ずに作業していたのかも。頭が下がります。
私?媒体が雑誌でしたから全部プロビアの一発ノーマル流しです。

<NかCか?カメラマンの間の流行りものは?>
さて、「NかCか?」ですが、、、
アメリカメディアの間では、今でもNのシェアが圧倒的のようですが、日本から
行ったメディアの殆どがCだったのにはちょっと驚きました。フロリダでは日に
よってはNを持っている日本人は私一人なんてこともありましたし、、、
フリーランスの場合、Cが多いのは業界常識みたいになりつつあるのですが、レ
ース以外の現場であれだけ「Cだらけ」を見たのは久しぶりだったのでちょっと
驚きました。
だからと言って、彼らが最新の「なんとか1V」とか「3」とか使っているわけ
でもなく、当然にISレンズなんてのを持ってるわけでもなく、「なんとなく」
そういう巡り合わせだったのかなぁという気もしないでもないのですが。
流行りものですが、最近銀一でも並行輸入で扱い始めたバナナ・リパブリックの
カメラマンベストは嫌というほど見かけました。雑誌「カメラスタイル」などで
紹介されたのでご存じの方も多いことと思いますが、機能的充実ぶりはドンケと
肩を並べる(或いは上回っている?)ようで、あちらでお会いした方の殆どが、
このどちらかのベストを着ていました。(私はバナリパです(^^;)

<現場の雰囲気>
さすがに3/4のピオリア(佐々木投手初登板)のときはメディアの数が増えました
が、でも全体の雰囲気としては、スタープレイヤーが登場する初めての週末オー
プン戦といった感じで、ダッグアウト横のカメラマン席も余裕で取ることができ
ました。
(昼飯食べるのが遅かったので辿り着いたのは国歌斉唱の5分前だった!)
とりあえず場所取りしてアングルチェックしてると、顔馴染みのMarinersコーチ
John McLarenが「おう良く来た!これ食えよ」とひまわりのタネの差し入れを。
オープン戦ならではのこのいい加減さ、私大好きです(^_^)。

ピオリアのダッグアウト横のカメラマン席はそんなに広くないのですが、アメリカ
のメディアの方は結構ポジションをあれこれ変えるのが好きなようで、最初から
最後まで同じ場所にいたのは私とNumberの仕事をしていた大井成義カメラマンだ
けでした(^^;;。(大井氏撮影の写真は現在発売中のNumber 493号に掲載)
試合の途中、後ろでハッセルのクランクが回る音がしたので振り返ったら、結構
若いアメリカメディアのカメラマンがSWC回していたのには驚くやら呆れるやら。
(彼は一体どんな写真を撮っていたんだろう?)
5回が終わった頃、大井カメラマンが「スミマセン、ライター持ってません?」
と私に尋ねてきて「ゴメン、吸わないんですよ」と答えていたら、アリゾナなん
とかという新聞のカメラマンが「これ使えよ」とジッポーを。
こんな和やかな現場、久しく経験しておりません<私

佐々木投手の登板が近付いた8回、APの女性カメラマンがNC2000e+AF-I300/2.8
のセットを抱えて私の横にやってきましたが、意外にも手慣れた様子で撮ってい
たのには驚きました。(野球って結構アメリカでは保守的な方で、女性スタッフ
が入ることを嫌う傾向は未だにあるので)3/4にAPから配信された佐々木の写真
はこの女性カメラマンが撮影したものです。

試合の結果等は既にご存じのことと思いますが、私的に残念だったのは、3/4の
試合終了後、佐々木投手がアメリカのファンにサインをねだられている写真を
使うチャンスがなかったこと。彼がファンから「メジャーリーガー」として認
められた「瞬間」だと思ったんだけどなぁ、、、

この取材の成果は、3/28発売の毎日新聞社「サンデー毎日」のカラーグラビア
に掲載されます(東京圏の駅売店では3/27午後発売?)。
お暇な方は是非ご覧くださいませ。

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小城 崇史(Takafumi Kojoh)
E-Mail:tk-tyo@ca2.so-net.ne.jp
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