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[nikomat 14800] Re: repair of Pentacon Six



ひうらっす.

乾さんから「減る写真機2」の写真が届きました.
ご覧下さい.

http://inolab-e3200b.sys.es.osaka-u.ac.jp/users/shinsaku/LeicaM3.JPG

日本の相場より安価に購入されたので気を使っておられる
ところもあるのかなとも思いますが,ご本人の弁では,

>#でも写真では分かりにくいですが,皮もはげているし,日本の中古み
>#たいなビカ物ではないですよ

とのことであります.

>教育的指導ってのが、理解されないときも多いから、、、
>出し惜しみして、とか、言った方も言われた方も不愉快になったり
>してね。

そうですね,
まぁ,自己責任といえばそれまでなんで,こちらが上段に構える
必要は無いんですが,「壊れちゃったじゃないか」って言われるのも
困りますしね.

>1を指すまでの巻き上げ量と1からの巻き上げ量が違ってたり、

不等間隔ギアでコマ間を出そうとするアイデアはカメラの構造の
本ではよく紹介されていますね.アレできっちり出そうとするほうが
きつい気もしますが・・

> > この理想薄レンズの焦点距離が 1000mm で,つまり 1dp の凸レンズと
> > すると,1m 先の物体はこのレンズを通すことで無限遠の物体に
> > 変換されるわけです.(コリメータみたいですね)
>ここはわかるんですよ。1m先の物体からでる光線が、
>このレンズで平行光線として、距離計の参照側と可動側に入るから、
>距離計ダイヤル無限位置で、1m先の物体の二重像が合致する。
>
>わからないのが、繰り出して行ったとき、例えば、0.5m先の物体の
>出す光線がレンズを通って屈折して、距離計窓に入るわけですが、
>その光線に対して二重像を合うようにヘリコイドを回すと、
>なぜ、撮影レンズが、0.5mに見合う繰り出し量になるのか、ということ。

レンズの式ありますよね, 1/f = 1/a + 1/b ってやつがありますが,
これは実像 -- 実像の関係(つまり点光源からの光がレンズを通って
またフィルム上に結像するというような)だけでなく,虚像 -- 実像の
関係でも成立します.

先ほどの例でいえば,f = 1000mm. また物体までの距離a も 1000mm
とすると,b = ∞となります.

で,次に a < 1000mm の場合を考えます.例えば a = 500mm とします.
すると
1/1000 = 1/500 + 1/b

となるので,計算すると(おっ.久々) b = -1000 となります.

つまり虚像(レンズの向こう側の像)として,1000mm のところに
像が見えるわけです.結果的に 500mm の距離にあるべき像が
1000mm のところに見えるわけで,1000mm までしか寄れないカメラで
撮れるわけですよね.

で,距離計のほうですが,これは1000mm 先にある物体から出た
光が一致して見えるように調整する(つまり,上記の無限遠の場合だと,
平行に入ってきた光が一致するように距離計を操作すると,レンズのほうも
無限遠にピントがあうわけですが,同様に,1000mm の距離の点から放射状に
出た光が一致するように,距離計を操作するわけですね)と,
レンズのほうも 1000mm 先にピントが合うわけなので,距離計のほうも
問題ないわけです.

レンズと距離計って様子が違うようですが,実際には似た働きの
光学系と言えるかもしれません.例えば一眼レフのスプリットプリズム
は,レンズ全体を通過した光を使うんじゃなくて,レンズの左右から入った
2本の光束を使ってピントあわせをするわけで(レンズを繰り出すと,この
光束は平行でなくなり,ちょうど距離計と同じように三角形をなす)
距離計の1つの構成法といえば,いえなくもないわけですね.

前のメールでプロクサのレンズが「理想薄レンズ」と言いましたが,
このように,理想薄レンズがもし存在すると,上記のように 500mm の
距離にある物体からの光は,ちょうど 1000mm の距離から発された
光と同じモノに変換され,実際に 1000mm のところに物体を置いた
ときの様子とまったく区別がつかないということになります.
(それゆえ,理想なんですけど)
ですから,そのレンズの後ろにどのような光学系を置こうと,それら
は常に正しく 1000mm 先の物体に対して振舞うのと同じように
正常に働くわけですね.

#実際には理想薄レンズじゃないんで,問題はあるとは思うのですけれど.




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 日浦 慎作  Shinsaku HIURA
 大阪大学大学院 基礎工学研究科
 システム人間系専攻 システム科学分野
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 http://www-inolab.sys.es.osaka-u.ac.jp/~shinsaku