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[nikomat 21007] [---yota] Overseas Steam Engins 2 (Re:鉄の方へ)



宮崎@続きっす。

お急ぎの方・興味のない方、次へどうぞ →


> ハイビジョンスペシャル
> 「煙はるかに 世界SL紀行」(2)
> − スイート・シュガー・トレイン〜キューバ −
>
> BS-hi
> 4月24日(火) 19:30〜21:30

これは今日放映されたはずですね。

> 「砂糖の島」キューバ。毎年2〜4月の収穫期になると、刈り取ったサ
> トウキビを運ぶSLが忙しく走り回る。その数、およそ300両。革命後
> の国有化で新しい資本投下が進まない多くの砂糖工場が今も蒸気機
> 関車を使っているのだ。世界中からSLファンが集まるキューバにやっ
> て来たのはジミー大西。「世界一SLが美しく見える」風景に感動したり
> 機関士の家族と野球をしたりしてキューバを満喫。3週間でSLの絵を
> 仕上げていく。

行ったことないので、説明不可。
機関車以外の映像が多そうで(上記説明を読むと)、芸能人を連れて
番組を作るのは辞めて欲しいなあ。

> ハイビジョンスペシャル
> 「煙はるかに 世界SL紀行」(3)
> − “前進号”1000キロを行く〜中国・内モンゴル自治区 −
>
> BS-hi
> 4月25日(水) 19:30〜21:30

明日っすね。

> 中国で初めて蒸気機関車が走ったのは、慎重時代の1876年のことだった。

誤字ッすね、それとも慎重に走らせたのか?
日本より4年ほど遅いと言うことになります。

> 新生中国への移行と共に「新中国建設」のシンボルとなったSL。それ
> ぞれに革命のスローガンである「解放」「勝利」といった名前がつけられ、
> 全国に社会主義を宣伝する一翼を担った。しかし長く活躍した蒸機も80
> 年代以降はディーゼル化が進んで、急速にその姿を消していく。そんな
> 中、石炭が豊富な西北部ではいまだに鉄道輸送の主力として活躍して
> いる。

西北部(大体は内蒙古自治区)でも、もう殆ど残っていませんよお。
主力の座は7年ぐらい前に譲っております。

現在国鉄線は殆ど壊滅状態で、入れ替えとローカル線の一部、第三セ
クター鉄道・専用線・専用鉄道・製鉄所等で余生を送っております。3年
ぐらい前までは国鉄中心に3千両ぐらい走っていたんだけどね。今はもう
500両は切っているでしょう。

> そして、5年前、内モンゴル自治区でSLが大量に復活した。各地でリス
> トラされた100トン以上の大型機関車が集められ、集寧から通遼までの
> 1000キロを24時間かけて走り始めたのである。

復活じゃあないと思うけどなあ。

何も説明がないから補足すると、ここは集通鉄道といういわゆる「第三
セクター鉄道」なのです。国鉄線(中国鉄路局)ではありません。鉄道
がない内蒙古の経済活性化を図るべく、いきなり1000kmの線路を引
いたのですが、予算がないので中古の国鉄現役蒸気機関車を購入し
て営業運転を始めたのです。

購入した中古の前進型蒸気機関車、その数100両。やはり中国は話
がでかい。ちなみに整備済み中古前進型1両は、邦貨で300〜400万
円とのことです(買えないことはない?)。100トン以上は嘘じゃないが、
ここは後期型ばかりで、燃料満載の整備重量は1台250トンになります。

1000kmのうち、殆どはモンゴルのような大平原を走ります(NHKドラ
マ「大地の子」の内蒙古の風景参照)。途中に1箇所だけ峠があって、
その前後はかなりきつい勾配のため、その区間のみ重連(機関車2台
つなげること)で貨物を引いています。でもってその峠のあたりが私ら
の撮影地。この冬は大変寒くて、小指の先と鼻の頭・左耳は軽い凍傷
(1度)になりました(軽くても凍傷は初めて)。F5弐号機は強風の中、
寒さで死にました(F5が寒さで死んだのは初めて)。帰国したら鼻の頭
と左の耳たぶは皮が剥けました。

実はここにも近代化の波は押し寄せていまして、去年の夏には西部地
域にディーゼル機関車が投入され、蒸気機関車の廃車が始まっていま
す。峠の撮影地にディーゼル機関車が姿を現し、イギリス・ドイツ・スイス
日本人等の鉄チャンから顰蹙を買うのも、あと3〜5年後のことでしょう。

ハルツ以上に驚いたのが、集通鉄道にも Web Site があること!
中国語フォントがないと文字化けする可能性がありますが、

http://www.jttlgs.com/

と思ったら、リンク先が切れていた(2月にはアクセスできた)。
何処へ行ったんだろう?

ちなみにNHKハイビジョン取材班は、本線用大型蒸機が走る集通鉄道
の他に、黒竜江省にあるナローの葦河森林鉄道にも行っています(知り
合いが遭遇)。でも番組説明には全く記述がないですね。2時間番組と
のことなので、放映の可能性もありますが、どうなのでしょうか。

黒竜江省葦河の撮影は3月も下旬で、雪も殆ど融けてかなり汚い(中国
人はゴミを何処にでも捨てるから、春になると雪の下から出てくる)風景
だったらしいので、取りやめになったのでしょうか。

> 侵略・建国・そして開放へと変化を続ける中国。時代の流れと共に重要な
> 役割を担い、そして流転してきた蒸気機関車の姿を描いていく。
> (リポーターなし)

なんだか文章変!(侵略って、中国が侵略するわけじゃないし)
リポーターなしは歓迎だな。

> ハイビジョンスペシャル
> 「煙はるかに 世界SL紀行」(4)
> − 南国満載庶民列車〜ミャンマー −
>
> BS-hi
> 4月26日(木) 19:30〜21:30
>  長らく鎖国経済体制にあったミャンマー。

今は経済封鎖状態です。

以前は自ら鎖国経済にしていたけど、今は軍事政権を支持しない多く
の国々から逆に経済封鎖されています。

結局変わらないような...

> この国には最近まで、熱心な鉄道ファンでさえ知らなかった蒸気機関車
> がある。東南アジアで唯一、沿線の人々の暮らしを支えている 現役の
> 蒸気機関車だ。
>
> ミャンマーでも蒸気機関車は残りわずか。

残りわずかなんだが、6年前から変わっていないんだな、これが。
ここ6年間で減っていないのです(普通は減る)。

ミャンマー国鉄の台所事情の苦しさがSLを走らせているようです。
安い燃料を使うので、ディーゼルに比べて燃料代4割で済むという話を
聞きました。ただしその燃料というのが、輸入品で(廃油の一種らしい)
その輸入が途切れると、蒸気機関車はお休みになります(何だか変な
話だなあ)。去年は輸入が途絶え、4ヶ月ぐらいは1〜2両/日しか走
らない状況になりました。

> 田園地帯を走るローカル線のみで走っている。機関車はほとんどがイギリス製だが、

全部です。
イギリス・バルカンファウンドリー製(1946〜1948年製)の3形式。

> 蒸気機関車を愛するミャンマーの鉄道マンたちが、ミャンマー風にカラフル
> にペイントし、何度も何度も修理を施して大切に使われてきたのだ。

良く壊れるんだなこれが。
その場で簡単に直して再び走り出すのだが、またすぐ壊れる。

応急修理ばかりで抜本的対策をしないからだけど、部品とか資材がない
から仕方がないか。でもみんなのんびりしていて、じっーと列車が動き出
すのを待っている。一番長い距離を走る蒸機旅客列車は、300km弱を9時
間で走るダイヤ設定だけど(表定何キロなんだ?)、10時間切ることはま
ずなくて、酷い場合は15時間ぐらいかかっています。

> 沿線の人々はもちろん、沿線で作られた野菜や魚、素焼きの壷など、
> 素朴に暮らすミャンマーの人々の生活そのものを運んでいる。

素朴というか物が無いというか...

> 番組では、蒸気機関車を見て育ったという俳優の佐野史郎が、どこか懐
> かしいミャンマーの田園風景を走る現役のSLに会いに行く。

乾期の一番季節がよい時の収録だから、見たいところ。
でも「田園風景」というような生やさしい風景ではないです。

田舎は、水牛・牛・鶏・豚・アヒル・バゴダ(仏塔、タイにもある奴です)、
それに袈裟を着た坊さんと小坊主が沢山。仕事をする象もミャンマーで
しか見たことありません(これはミャンマーでもなかなか見られません)。

道路の脇の草むらには噛まれたらまず助からない毒蛇君も居ます。
マラリア蚊もいますので、田舎は要注意です。でも子供たちは毒蛇の
出そうな水辺とか草むらでも普通に遊んでいますが(特に日没時が危
ないらしい)。

隣のタイとは20年ぐらい(いや、もっとかも)違うと思う。
経済鎖国・情報鎖国の政策によって、東南アジアで最も昔の風景を残
しています。

> ハイビジョンスペシャル
> 「煙はるかに 世界SL紀行」(5)
> − イタリア・サルディニア編 ゴイトといた三日間 −
>
> BS-hi
> 4月27日(金) 19:30〜21:30
> シシリア島につぐ地中海第二の大きさを誇るビーチリゾート、サルディニア島。
> 青く済みきった海に囲まれ、数々の歴史的遺産を残すこの島に、イタリア
> 国鉄で唯一、観光客車を引っ張る小型蒸気機関車が走り続けている。
> 本土の路線とダイヤから切り離された地理的条件と、近代産業の発展か
> ら取り残された物理的条件が重なって生き残り、地元住民や観光客に愛
> されているサルディニアのSL。ECもイタリア国鉄と共同で、路線の保護や
> 機関士らの育成につとめているという。
> 南の古都カリアリから出発し、神秘的な中央山岳地帯を通り抜け、東海岸
> の情緒あふれる港町、アルバタックスまでをゆっくりと走る1893年製のウィ
> ンタートゥール型蒸気機関車「ゴイト」
> 番組では、リポーターの加藤あい(女優)が、美しい海岸線が続き、標高千
> メートルを越える山々が連なる、サルディニアの変化に富んだ大自然を、
> ドラマチックに蒸気機関車で駆け抜ける。

これは知らない。
殆ど知られていないような気がする。

ここだけ完全な保存鉄道だけど、何故イタリアなのかというのは疑問。
保存鉄道ならイギリスとドイツに掃いて捨てるほどあるし、スイスのブリ
エンツ登山鉄道やオーストリアの登山鉄道でもいいような気がするが
(ただし、この2つは秋〜春は稼働していない)。

ボスニアには炭坑でもまだ現役で稼働しているはずなので、そっちもい
いと思うのだが。

シリーズ1〜4で、現役蒸機に拘ったのなら、やはり謎の「北朝鮮」に
迫って欲しかった。取材はまず無理だと思うけど、あそこは何考えてい
るか解らないから、意外にOKが出る可能性もなくはない、、、ないか。

以上長文の駄文おつきあいありがとうございました。


                  (株)リコー  秦野事業所 宮崎 昭彦
                     E-mail:amiyazaki@nts.ricoh.co.jp