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[nikomat 27347] Re: D100(2)(1)



丹後屋す

一点だけ、
Fの先見性に関して、以前から考えていたことを

小城@Vero Beach,FL,USA さん:


>>Fが設計されたときのような先見性が、ここのところないな、というのが
>>私の感想です。
>>
> 
> 何を持って「先見性」なのかよく分かりませんが、現場ユーザーとしましては確実に
> 使える(写真が撮れる)「信頼性」がなによりです。
> 前にも書いたかもしれませんが、F5の「新品購入から製品保証3年」は、他の追随を
> 許さないものでした。同じような価格帯のカメラは他社からも出ましたが、この「保
> 証三年」までは真似できなかったようです。

既に何度も語られていることではありますが、
カメラやレンズという商品群を個々の製品の集合体としてではなく、
システムとして捉えたとき
Fというボディとそのレンズ、アクセサリー達は
その考えを妥当なものと認識させるに足る優れたモデルの一つであった、
というところが先見性なのだと思います。
(後世からみたとき、そう捉えることが出来るように作られていた、
 ということに過ぎないとしてもね。)
当時は、そういうカメラはFしかなかったと思います。
例えば、Fがカメラをシステムとして捉えた最初のカメラ、と言うと
ライカが先だ、という意見が、ま、ライカファンから出てくるのですが、
Fと同じ時代、或いはそれ以前のライカのカタログを見ると、
そこにあるのは、実は、膨大なアクセサリが作る混沌でしかないのが
見て取れます。(混沌もまた魅力の一つすけどね(^^;)
一方、日本光学がカタログに用意した
Fと交換レンズ、アクセサリが作る系統図は、
40数年後の今も現役の手法として命脈を保ち続けています。
整理の仕方、と簡単に片付けてはいけません。
そいういう思想をはっきりと打ち出している処が偉大なのです。

当時のF(と、その付属品、カタログ)を見ると、
やはり、そういう先々まで有効であれ、という
基本設計者(更田さんになるんでしょうか)の意識を感じます。

Fの耐久性や信頼性は、その考えがあったからこそ、
最初から実現できた
(最初から、というのが言い過ぎなら、一歩譲って、目指すことが出来た、と)、
といえるのではないか、と思います。
つまり、カメラボディを
新時代の何でもありの便利な一眼レフカメラ、としてではなく、
システムの中核として、徹底的に機能を削ぎ落とし、
プリミティブとしての位置付けを当てることが出来れば、
その単純性の故に完成度を高め、かつ
信頼性を徹底的に追求することも可能になった、と見たい。

RFカメラよりも大きな運動エネルギーをもって動く部分の多いSLRを
信頼性、耐久性を落とすことなく作るにはどうすべい、と考えたんでしょうね。
スペックだけを見ると、
当時の、格としては同じ層にある
トプコンRや、キヤノンR2000と殆ど変わらないのですけどね。

さぁ、Gレンズは、次のdecadeを生き抜くことが出来るか?
ユーザの手に渡る個々の製品の耐久性・信頼性とともに
気になるところです。