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[nikomat 27544] Re: SIGMA SD9 Digital SLR
ひうらっす。
この辺は「写真レンズの基礎と発展」などを見ますと、まあ、客観的に
わかる気がします。
>>レンズタイプが語られる時にはゾーナータイプとか、ガウスタイプとか、
>>昔にドイツで設計されたレンズが元祖になっていることが殆どのような気がするの
>>で、
>>そうでないレンズがあるのは嬉しいです。
このあたりは、確かにドイツがオリジナル(その前のトリプレットはイギリスだが)
でしょう。現在の大判レンズに使われている構成はほとんどそのままドイツ製ですね。
が、現在のほとんどの一眼レフ用レンズはこういう設計に基づいていませんので、
ほとんどがオリジナル構成と言ってもいいでしょう。
特に広角レトロフォーカスレンズは(レトロフォーカスという名前が、フランスの
アンジェニューのものではあるのですが)国内の一眼レフメーカの功績は
大きいんじゃないでしょうか? ドイツ勢はかなり後れをとったはず。
特にF発売期数年のニコンの果たした役割は大きいと思う。
あとやはりズームレンズでしょうね。
>望遠レンズに蛍石や異常分散ガラスを導入して二次収差まで補正する
>技術も日本オリジナルではないでしょうか?
異常分散ガラスの最初の溶融成功は、戦前のアメリカらしい。
ショットも、かなり早いはず。この点で国内は後追いのはずです。
ただし、この辺の国では、このころ、あまりまともにこの辺のガラスを
使うような写真レンズを作っていませんでしたからね。
商品として用意したかどうかの問題が、大きい気がします。
これは上記の、レトロフォーカスにしてもそうで、単に技術だけではなく
需要の問題があるでしょう。
例えばニコンが最初に作ったサッポロサンニッパは、ショットガラスで、
EDガラスはまだ出来ていなかった。
同じころ、蛍石を使った写真レンズでちゃんとした商品はキヤノンの
フローライトが最初ではないでしょうか。蛍石を使った光学製品は
それまでにも長い歴史があるようですが。
>いわゆるズームレンズ,特に現在の高性能ズームの基礎となった
>2群ズームは日本オリジナルだと思います.
これはキヤノンのようですね。
>また,メカ的な要素を加えてよければ,広角レンズにフローティング(近
>距離補正機構)を使うこと,さらにリアフォーカスとかインナーフォーカス
>を使うことも日本が最初じゃないかなぁ.
キヤノンの社史にどうかいてあるかわかりませんが一般には、広角の
フローティングはニコンが導入したものという認識があると思います。
#EFレンズのカタログには、非球面レンズも、キヤノンが最初だ、
#と取れる文章が書いてあるからなあ。実際には、ライツやニコンより
#後なのに。これには、「一眼レフ用のバックフォーカスの長いレンズとしては」
#という条件が付くはずなんですよね。
「写真レンズの基礎と発展」には、IFはもっと昔からアイデアとしてはあり、
使われているものもあるということ。
では
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日浦 慎作 Shinsaku HIURA
大阪大学大学院 基礎工学研究科
システム人間系専攻 システム科学分野
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