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[nikomat 27765] Re: レンズの無限遠



ひうらっす.

> > メーカーが想定したフィルム位置は明らかにされていないので想像する
> > しかないですが、だいたいニコンで200μm、キャノンは500μm
> > あたりでしょうか。
>
>フィルムは巻き取り方向を軸としてカールしますので、この性質を利用して
>平面度を出す工夫が、4本のレールと圧板です。

フィルムは巻いてあるため,膜面側のほうが,ベースよりも寸法的に小さい
癖が付いている.そこで,フィルムのカールを戻すと,今度はこの張力が
縦方向に働いて,パーフォレーションを幕面側に,画面中央をベース側に
突出させる方向に丸くなるわけですね.

で,

>     ■■|  
>     * |       ■:外レール
>     □*|       □:内レール
>      *|←圧板
>     * |       *:フィルム
>レンズ  * |
>     * |
>      *|
>     □*|
>     * |
>     ■■|

という設計は,■と□の高さの差が,フィルムの厚さより小さい
(つまり,フィルムは□と圧板との間で圧縮されている.
 圧板は■に接触していない)というわけですね.

いわば □ 基準のフィルム位置の決定です.
この方法は,フィルムの厚みには無関係だが,カーリングの影響で
画面の真ん中がペコンと飛び出すと悲惨である,という問題がある.
(善三郎ニカECはこれだと思う.120・220を切り替えても,
 圧板には変化がないのだ)

現在はこれよりも

>以下のような設計もあるかもしれません。
>     ■■|  
>    *  |       ■:外レール
>    □* |       □:内レール
>     * |←圧板
>      *|       *:フィルム
>レンズ   *|
>      *|
>     * |
>    □* |
>    *  |
>     ■■|

のほうが主流のようです.

画面の中央が圧板に接触していると仮定すると,フィルムの位置は,
■の位置からフィルムの厚さを引いた量になる.
ということで,フィルムの位置はフィルムの厚さに依存するが,
画面中央に関してはカーリングの影響を受けにくい.

これはトンネル式と呼ばれているようです.
ピント精度が重要なのは,画面中央ですので,この方法が良く使われて
いると思われます.また像面湾曲の問題もあるので,あまり周辺の
フィルム位置にこだわっても仕方がない.

フィルムが平坦ではないということを仮定した方法ですので,
理想主義的ではないが,現実主義ということか.
レンズの像面湾曲とマッチすると最高かもしれない.

但しほんとにフィルムの中央が圧板に接しているかどうかは,?ですね.
特に長手方向のカーリングのほうが強力なのですから,これが影響して
三次元的にレール間で波打っているかもしれない.

やったことないですが,■と□の段差を測り,これとフィルムの厚みを
比べるとわかるのではないでしょうか.
こいつはフィルムの画面外に傷が入りにくい.
前者は,フィルムに引きずった跡が出来ているものがある.

後者は,内レール□より外レール■の腐食などが気になりますね.

>また、フィルムの厚みやカールの力も異なるので、万能ではありません。
>湿度・温度でも違いますか。
>さらに、120フィルムのバックペーパーは平面度を損なうとの話もあるし。
>最良はバキュームやガラス乾板でしょうか? (湿板もありますけど。

この辺を考えると裏紙は,ヤバイっすよね.・・
ローライフレックスには,画面の上をガラス板で押さえるものがあったらしい.
が,やはり不評(埃とか画質の面)で,無くなったらしい.

フィルム巻き癖で「ペコン」とフィルムの中央が飛び出したのであろう絵を
見ると悲しくなります.

ちなみにフィルム浮きの影響は焦点距離とは無関係で,F値のみに関連します.

では