[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]
[nikomat 29156] Re:ステロイド剤(Re: 与太と花粉症)
こんにちは、石渡@大阪です。
MLの本題から脱線しつづけていて、もうしわけありません。
都さん、はじめまして。
"Mr.> ステロイド剤は、確かに副作用の大きい、危険な薬剤ではあります。
"Mr.> ですが、経験の豊富な医師によって慎重に投与されれば、極めて絶大な
"Mr.> 効果を持つ「夢の薬」であることも、これまた患者にとっては真実です。
"Mr.> 私は、身をもってそれを体験したことさえあります。
まさに書いてくださったとおりです。正論ですので、、
もう少し補足させていただきます。
ステロイドの投与は、まずその疾患、経過、をよく調べて、
投与すべきときは、ステロイドの種類、投与方法、効果判定、
そしていつまで継続するか、さらに副作用の確認など、すべき
ことがたくさんあります。
よく使うケースは、外用薬のステロイドです。軟膏やクリームや
ローション、点鼻液、点眼液、吸入液などがあります。
点眼液は、眼科医の眼圧コントロールがないと、つかいにくい
ステロイドです。
しかし一方、喘息に対する吸入ステロイドなどは、副作用も
殆どなく、しかも第1選択の薬になりつつあります。
アトピーに対して、一部の心無いマスコミがステロイド恐怖症を
煽ったために、どれだけ患者さんが苦労されたかは、竹原和彦著
アトピービジネス 文春新書が、医学書でない一般書としては、
わかりやすく書いてあります。
注射液のステロイドを第1選択というか、治療の基調にもってくる
ことがあります。たとえ小児でも、白血病などの悪性疾患、そして
ネフローゼ症候群などは、1回投与量が、成人への1回投与量の
500倍もの超大量におよぶこともあります。とうぜん、病気と同時に、
副作用との壮絶な闘いになるわけです。
しかし通常の花粉症に、いきなり安易にステロイド筋肉注射をすることは、
部屋の中を飛び回る蝿がうっとうしいといって、バズーカ砲を
ぶっぱなすようなものです。しめやかな席で、長巻フィルムを
使って、最強機種のモータードライブをフル稼動させつづけて
撮影に及ぶようなものです(こういう例えでいいのでしょうか?)
効果は絶大ですが、本末転倒です。
ひどい話なのですが、前に書いたセレスタミンなど、処方している
医師自身が、ステロイドが含有されていることを知らずに処方
しつづけたというような信じられない例もあるのです。
"Mr.> まずは医師の指示に従ってください。勝手に呑んだり、あるいは勝手に
"Mr.> 呑まなかったりすることは絶対にお避け下さい。
これも書いてくださったとおりです(わかってくださるかたがおられて
嬉しいです)。
ステロイドを長期に内服した場合、勝手に止めたりすると、最悪、ショック
症状を起こすことがあります。使用する際は、医師は患者さんに対して、
そいいった部分についても、きちんと説明したうえで、投与すべき
ですし、止めていく場合も、ゆっくりと薬の量を減らしていくのです。
ステロイドの投与を受けるときは、それに対してキメ細かく説明して
くれる医師、そしてやたらにステロイドそのものを敵視していない
医師を選んでください。すくなくとも、自分はステロイドを飲んで
いるのに、それに対する説明が全くないのなら、きちんと説明を
受けるようにしてください。
☆-=<<<
石渡淳一
JUNICHI Ishiwata
小児科・アレルギー科 いしわたクリニック
〒595-0026 大阪府泉大津市東雲町8の12
TEL0725-23-9955 FAX0725-23-9915
junb46@sweet.ocn.ne.jp
http://homepage2.nifty.com/jun-1/clinic/index.htm