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[nikomat 29904] Re: 5cm F3.5 for Leica



ひうらっす.

たかなしさん:
> > ここで先日購入したミニコピー&テクニドールリキッドですが,けっこう
> > 気に入りました.弟もテクニカルパンを使ってみたそうで.
> >
> > 話を総合すると,トーンの出方(特に肌が明るい),すばらしい滑らかさ,
> > 低感度だからレンズの開放が使いやすいなど,
> > たかなしさんには便利なフィルムかも.
>
> おっと。
>試してみる価値はありそうですね!
>ミニコピーフィルム=テクニカルパンですよね?結構現像が大変とか聞きます。
>最近、自宅でフィルム現像してますので(プリントはヒットオンで)、よかったら
>データ教えてください。(タンクの種類、液温、時間、攪拌方法など)

ヨドバシで,弟と結託して?コダック テクニカルパンと,
フジ ミニコピー HR-II を買い占めてきました.
私が今回使ったのは HR-II のほうです.
弟はテクパンのほうを使ったようです.

テクニカルパンは,36枚取り600円程度と,リバーサル並に
高いのですが,ミニコピーは300円程度だったと思います.

テクニカルパンの軟調現像はムラが出やすいと有名なようですが,
私のミニコピーのほうでは,私(甘い)が見る限りムラは感じませんでした.
現像タンクはパターソン(結構ムラが出にくいと思う),
これは,液が底から入っていくので,インストラクション(暗室内で,
現像液を満たしたタンクにリールを落す)に従わず,普通に液を入れました.

ただし十分に前浴をしました.ハレーション防止剤の色がついた水が
ジャブジャブと出てきます.攪拌は,倒立をせず,パターソン現像タンクの
軸を最初に10秒ほどグリグリ回し,あとは1分ごとに数秒回す,という
具合でやりました.

現像時間は,20度 5分(ISO6程度)と書いてあるものが多いのですが,
手元の本(サンダー本 ^^;)の表には10分現像(ISO12)とあるので,
この条件で撮影・現像しました.大体感度は合っていたみたいです.
ただし,このように現像時間を長くすると硬調になるようです.
ものによっては1号で焼くといい感じでした.

>私は大抵1段絞って、日陰で、レフで光を起こして撮影しますので、少し曇って
>しまうとISO100でも厳しかったりします(^^;

となると,厳しいですね.日陰で,ISO100 1/125 F4 程度が多いと思いますが,
ミニコピーの ISO12 だと,F1.4 開放になってしまいます.
動体は,かなりつらく,散歩中の子供のスナップはブレ・ピンボケがほとんど
でした.

ミニコピーはこのように感度が低いのですが,テクニカルパンだと,
標準的な現像で ISO25 ということなので,エクターを使える状況なら
OKかも.テクニカルパンは赤外感度が高く,肌が白く写るという
特徴があるそうなので,特によさそうです.(ミニコピーに同様の
特性があるかどうかは,知りません.)

ちょうど手元に6つ切りプリントが2つあるので,スキャンして載せてみました.
http://www-inolab.sys.es.osaka-u.ac.jp/users/shinsaku/hr-2/
ちょっと,甘いですが,焼きの問題と,シャッター速度の問題で手ぶれしていると
思います.それと 600DPI は手元のスキャナの最高解像度なので,甘いのかも.
三脚で定点撮影したものは,恐ろしく写っていました.F1.4 開放から 50line/mm を
優に超える程度の模様が綺麗に出ています.
(が,顕微鏡で確認できるものの,焼き出せない・・・)
レンズの性能とは,こんなに良かったのかと驚くほどでした.

デフォーカス部の粒子の雰囲気を見る程度にご覧下さい.
フィルムそのものの粒状性,シャープネスは恐ろしく高いので,
そこだけで言うならばブローニーは要らないなと思える画質です.
(但し,その分,フィルム性能を引き出せるようなレンズ,撮影や引き伸ばしを
 揃えていくのは難しいので,全体としてはやはりブローニーが楽でしょう)

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私も近所のフロンティアには辟易していたのですが,古い商店街の中の
写真屋に,やっとそれなりに満足できる写真屋を見つけました.

処理量が少なく「今日は機械止めちゃったからねえ」などと言われてしまうことも
ある店ですが・・・

やはりデジタルは良くないですね.非常に安っぽいと言うか,妙に強調された,
しかし深みのない写真にされてしまう.特にオールドレンズには向かないです.

ただ,写真というもの,またインスタントDPEをどう考えるかでしょうね.
単に記録するものである,と考えるとか,構図や内容を確認するものである,
というような立場もあると思います.「1時間DPE」に,高度なものを
期待することそのものが無理,ということになってきたのかもしれません.

#ただし,それでも,ちゃんとした写真をお客様に提供しよう,という職人気質が
#あったのは事実でしょう.そういう信頼関係が失われるのはもったいない.

写真の消費のほとんど全てはこの1時間DPEの段階で終わるわけですが,
それに含まれない部分は依然としてある程度残るのではないかと思っています.

ただ,逆にいえば,ライカ判の魅力は,この1時間DPEにあるわけで,
それが魅力なくなってきている以上,デジタルと中判に分化するのも
分からなくないですね.

私としては,ライカ判は,お手軽に記録的な写真も撮れ,深く追求すると
いい写真も撮れる,という,なかなか微妙なポジションに依然魅力を
持っていると思います.ブローニーはその点,楽なんですよね.
ミノックス判で細密な写真をとろうとする方々がいらっしゃいますが,
ある意味マゾヒスティックでありながら,追求する楽しみとして
やっておられるのだと思います.ライカ判にも,少し,そういう部分が
ありますね.

では

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 日浦 慎作  Shinsaku HIURA
 大阪大学大学院 基礎工学研究科
 システム人間系専攻 システム科学分野
 〒560-8531 豊中市待兼山町 1-3
 TEL:06-6850-6372  FAX:06-6850-6341
 http://www-inolab.sys.es.osaka-u.ac.jp/users/shinsaku