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[nikomat 37924] Re: ボケ部分の情報量
ひうらっす.
視覚心理学的に解明されていることだろうとは思いますが
どの程度の明暗比なら知覚される..とかいう研究がありますよね.
それをクリアしていたらよいのではないでしょうか.
直感的には,現在の単なるディスプレイ(黒が浮いちゃうような)
だと, 15bit は過剰なような気もしますが..
ダイナミックレンジがあればいいでしょうね.
日光下でツヤのある物体だと,16bit 程度の明暗比は容易に
生じますから.このダイナミックレンジが非常に高くて,
輝いている部分がまぶしいぐらいですと,かなりリアリティが
あるでしょうね.
ただし写真というのはそもそもそんなにダイナミックレンジが
ありませんよね.
写真のプリントのように反射率による画像ですと,反射率 100% の
白が最大明度なわけで,ダイナミックレンジを稼ぐには黒を深くする
しかないわけですが,そのために絶対的に明度の高い,輝きは
再生できませんよね.
(ものすごく黒の深い写真に,非常に強い光を当てれば可能ですが,
よほどうまく環境を整えないと,周囲の明るさにより人間の視覚系が
補正してしまってそれほど明るく感じることは出来ないような)
リバーサルフィルムも,透過系ですが,透過率 100% が最大なわけで,
だから露出オーバーには強いわけです.
逆にネガフィルムは,光が当たるほど濃くなるからオーバーには強いが,
アンダー側は,濃度が浅くなる方向なので難しい.
だから写真って,明るいほうにも暗いほうにも結局あまりダイナミック
レンジがないわけですが,それを無理やり非線形に押し込める
(いわゆる,濃度特性の肩とか足とかいわれる部分)がよく出来ていますよね.
これが人の目に心地いいというか.
印画紙の,抜けるような「白の中の白」ってのは,現実には他には
なかなかない白さですから,人間の視覚系が,その白さに敬意を表して?
というのは冗談ですが,その白さを輝いていると知覚させるような
気がします.同様に,思いっきり反射率の低い,黒の中の黒も,
また,重要に思えます.
反射率が 98% と 99% では,明度の差はあまりありませんが,
逆に見れば減衰率 2% と 1% の倍の差があるわけで,そのような差を
鋭敏に感じているような気がしますね.
その点,デジタルは,現状では「飛んだら飛びっぱなし,
潰れたら潰れたなり」で,あまりこういう肩と足の部分の
非線形の変換がうまく構築されていないような気がします.
飛びそうで飛ばない領域がもう少しあったら,深みが出るのになあ.
というところでしょうか.
それを実現するには,そもそもある程度のダイナミックレンジが
必要と思いますけどね(そうでないと単に眠いだけの軟調な画像に
なってしまう).
At 20:31 03/06/03 +0900, you wrote:
>Shinsaku HIURA さんは書きました:
> >ひうらっす.
> >
> >デジタル写真の出力,特にインクジェットプリンタなどでの印刷では,
> >どうしても階調の表現が弱い感じがあるような気がします.
>
>色数が多く出力できるビデオカードと、色再現に優れたCRTを使うと
>デジタル画像でも「見え」は改善されると考えられますか?
>たとえば、以下のビデオカードは各色15ビットの出力分解能らしいです。
>http://www.namoto.com/crs2.htm