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[nikomat 41799] Re: オーディオ再び



すぎやま です
オディオのことは殆ど知らないのですが興味深く
読まさせていただきました。
アリナミンVのコマーシャルは良く覚えています。
南果歩のナーレーションが良かったです。
いつかB&Oのオーディオセットが欲しいのですがなかなか買えないですね。
音がいいという実感はあまりないのですが
あのデザインは魅力的です。


At 8:51 PM +0900 04.1.4, Tomosuke Takanashi / Thommo wrote:
>Thommo、っす。
>
> 皆様、今年もよろしくお願い致します。
>長かった年末年始休暇でしたが、ずっとアンプ作りに専念していました。
>学生時代に何台もアンプを自作して以来、7年ぶりになります。
>いくつか写真との共通点もあり、楽しかったです。
>ものすごい長文なので、興味がない方は読み飛ばしてください。
>
>
> 前述どおり、学生時代に、所謂「金田式」と呼ばれる、超ハイファイなトラン
>ジスタアンプを好んで作っていました。物凄くスピーカーの制動力の強いアンプ
>で、しかも単一電池わずか20本で、癖のあるスピーカーも朗々と鳴らしてしまう
>素晴らしいアンプです。また原作者である金田氏の独特の語り節というか世界が
>好きで、もう何台も作りました。
>トランジスタやFETを数十本集めて性能の良いものを選別したり、電気特性の良
>いテフロンで基板を起こしたり、そりゃあはまりました。
>
> もちろん今でも、当時作ったアンプを愛用しています。しかし、アンプを作っ
>ていた最終時期近くには、ちょっと変わったスピーカーを手に入れて使っており
>ました。Goodmans社のAxiom 80というかなり古いスピーカーで、通常のダンパー
>の変わりに、カンチレバーでコーンを保持しているフルレンジスピーカーです。
>ダンパーによるロスが少ないため非常に高能率(97db/W/m)だが、ちょっとなナロー
>レンジで、どちらかというと古臭い音がします。しかし、声楽や管楽器など、ツ
>ボにはまると、物凄く豊かで繊細、暖かい音色がします。
>
>これを手に入れて満足したのか、以降はあまりアンプに手を入れず、むしろ利便
>性のためにセレクタなどを組み込んで小さなケースに入れて、スピーカーも天井
>から吊るすコンパクトなものに変わっていきました。
>丁度、F601QDからF90Xに買い換えた頃で、写真熱が盛り上がってきたのと同時期
>です。まぁ褪めてきた、といったところでしょう。
>
> それ以降は写真道まっしぐら、いまや機材とフィルムに囲まれている日々です
>が、丁度一ヶ月くらい前でしょうか、友人とスナップ撮影のためにある郊外の街
>を散策していたところ、ふと目をやった家屋の窓に、「真空管アンプ試聴できま
>す」の張り紙が。ほほぉ、と思って中を覗いたところ、狭い店内に所狭しとスピー
>カーとアンプがひしめいていました。
>なぜか妙に好奇心を刺激されてしまって、思わず店主に試聴をお願いしました。
>アンプは有名なKT-88という三極管を使ったシングルアンプ、CDはThe Dave
>Brubeck QuartetのTake Five。昔アリナミンVのCMにも使われた、有名な曲です。
>
>非常にゆったりと、しかも臨場感たっぷりに演奏が聞こえます。店主自作という
>ウッドホーンを含めたJBLの3ウェイのおかげもあると思いますが、結構ワイドレ
>ンジで、十分音楽にのめりこむことができます。出力も十分。
>久しぶりに、音楽を聞いて感動できました。
>元はキットだけど、店主独自のチューニングと配線をしているので、音が違うん
>だよ、完成品だったら大体8万くらいで譲るよ、とも話していました。
>
> このときに感染したのは明らかで、帰宅してから色々とウェブを探索しまくり
>ました。どうやら、以前知っていたアンプキットとはまったく違う、デザインと
>コストパフォーマンスに優れたものが多いことに気がつき、驚きました。
>昔のキットは、横長のボンネットの上にトランス・球・コンデンサがにょきにょ
>きと生えていて、個人的には好きでないデザインでしたが、シンプルなヘアライ
>ン加工されたアルミのフロントパネル、トランス全体にカバーが掛かっていたり
>して、部屋に飾っても違和感がなさそうです。
>
>まぁここまでくれば作るのは決まったようなものですが(笑)、問題は機種選定。
>価格は4万前後と絞って探してみると、出力管が前述のKT-88、6L6GC、2A3、EL34
>など、人気のある三極管が揃っており、好みで選べそうです。
>実は金田式を作っていた頃から真空管アンプには興味があり、色々記事などを読
>んで2A3の力強い音にあこがれていたのを思い出し、これに決定しました。
>
>早速注文し、丁度クリスマスの時期に届きました。キットに入っている部品をチェッ
>クし、回路図とにらめっこしながら、実装イメージとチューニング案を練ります。
>チューニングは、信号がダイレクトに通る部品を高品質なものに交換すること、
>出力管の寿命を延ばすため、バイアスを深めに掛ける事、入力切替など不要な回
>路を割愛する、などです。
>そのために、年末で人がごったがえしている秋葉原を歩きまわります。昔と随分
>変わりました。以前は部品を扱う店が沢山あったのですが、最近はアニメ系とPC
>系の店ばかりです。
>しかしいくつか老舗が残っていたので、そこでなんとか入手しました。
>
>さて組み立てです。キットなので非常に簡単ですが、高圧を扱うのと、ノイズを
>拾わないよう気をつかって実装します。これは培ってきたノウハウが活用できそ
>うです。
>結局、2日間、延べ7時間くらいで音出しまでこぎつけました。
>
>まずは電源部単独で動かし、正常に電圧が掛かるのを確認。次は球を差し、ボリュー
>ムを絞り、アンプ単体で電源を入れてみる。カチッっとソフトスタート用のリレー
>が動き、真空管のヒーターが徐々に赤くなってきます。ここで異常な発熱・音・
>匂いがしないか確認し、プレート・グリッド・カソードの電圧を確認しておきま
>す、問題なさそうなので、いったん電源を切り、CDプレーヤとスピーカーを繋ぎ
>ます。
>
>緊張の一瞬。電源を入れ、CDを再生します。しばらく待った後、ボリュームを徐
>々に時計回りに回すと…
>聞きなれた音楽がスピーカーから流れてきました。一発動作とはうれしいもので
>す。音は…何故か右だけ音量が小さい。各部の電圧を測定しても、回路図どおり。
>しばらく原因がつかめずにいましたが、ふと出力管を左右逆に入れ替えてみたと
>ころ、左が小さくなりました。どうやら真空管の不良だったようです…
>キットについていた真空管は、昔のものではなく中国で再生産されたものです。
>残念ながら品質管理が徹底していなかったのかもしれません。
>気を取り直して、評判の良いらしいロシア製の出力管を今日買ってきて、交換し
>ました。こんどは完璧。今エージングのために音楽を鳴らしつづけています。
>
>常用しているアンプに比べ、迫力のある低音は出ませんが、聞いていて疲れない
>音です。ちょっと弦楽器で歪む感じがある曲もありましたが、エージングが進ん
>だのか、気にならなくなってきました。
>
>なんというか、とても好みの音に近いんです。
>超ハイファイでないほうが、私の好みなのかもしれません。以前は、金田式に古
>いスピーカーを組み合わせたりして、バランスを取っていたとも思えてきます。
>
>なんとなく、写真に通じるものがありそうです。
>スペック的に優れた現代レンズは、綺麗に写るが何か面白みがない。それよりは、
>ディスタゴン35/1.4やトプコール58/1.4、プラナー80/2.8のように、若干収差が
>残っているほうが好みであることと、近いものがあるのではと感じました。
>
>
> 長くなってしまいましたが、今回のアンプ作製を通じ、なんとなく自分の好み
>がわかり、写真とオーディオ、通じるものがあるのではないかと感じることがで
>きました。
>
>それでは。
>
>
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>   ^  ^    Tomosuke Takanashi / Thommo
>   .  .    E-mail : thommo@bf.mbn.or.jp
>  * ^  *   http://plaza26.mbn.or.jp/~thommo/
>    ~


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