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[nikomat:03552] Re: [Q]Nikon FA,FG



よしだ@ないこん  です。

まだ ちゃんと 現実に起きている問題が整理し切れていない
ですが、ちょっと余談です。

gauss や loosinov(含:Biogon、Topogon)に代表される
対象型の構成では、対象となる中心に 絞り=入射瞳 の位置
を持ってこれますよね。(実際の Topogon では ここも硝子
だったりして、そうじゃないのもあるけど。 )

こういうレンズにおいて、もし全ての硝子玉が(半径方向に)
無限の大きさを持っている場合には、絞ったときの光束って、
どんな画角で入って来た光束も その主光線に対して回転対象
です。
従って、現実(半径方向に有限な大きさを持つ)においては、
レンズに画角に依存して 硝子玉の縁でのケラレの影響が綺麗
に出ますので、やはり綺麗に周辺減光が起こります。
非常に当たり前の姿です。

これに対して、絞りが瞳の位置に無いと、たとえ全ての硝子玉
が無限の大きさを持っていたと仮定しても、絞ったときには、
レンズが大きな画角で入ってきた光束ほど 主光線に対して回転
対象ではなくなります。
例えば瞳位置より絞りのほうが後ろだと、f8に絞った場合、
(レンズ光軸から見て)内側の光は f16位で、内側の光は f4
位だ。。。なんてことになります。
従って、現実(半径方向に有限な大きさを持つ)においては、
レンズに画角に依存して 硝子玉の縁でのケラレの影響が、こ
の「絞りによる非対称性」を打ち消す形で出たりしますので、
結果的に周辺減光は低減したりします。
でも、画面内には、中心ほど点対称、外側ほど 放射方向に間
延びした 開口特性(ボケには顕著に現れるはず)を持ちます。

何が言いたいか???

F5.6の光束を使おうと何だろうと、最も厳密に測光しようと
するなら、この影響まで考えなきゃ駄目なんです。

# でも、回転方向に様々な放射指向性を持つ光束が一様に出る
# ため、平均化効果が出るので、非常に微少で 取るに足らない
# 問題なのでしょうね。きっと。

。。。というわけで、余談でした。

# 「対象レンズは 周辺減光が大きい」というのは相対的評価。
# 絶対的評価をするなら「非大正レンズは 周辺減光が少ない」
# が正しいと主張したい!!!


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 吉田幸司  Dr.Eng. 1960.03.26生♂ Rh+O (株)ニコン 精機第3設計部
 e-mail:yd@nikongw.nikon.co.jp                   第3システムGr.
 tel:03-3773-8502    fax:03-3775-9042            知能システムR&D室