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[nikomat:04488] Re: reflex lens



日浦@京大です。

かび生え自己フォロー。

・・とおもったら馬込さんからミラーレンズの話が・・

> > ミラーは寄りが効くのでおもしろそうですね。
> これは、どういう原理ですか?
> 反射光で構成されたものは色収差がない(少ない?)というのは
> 反射には波長分散がないというので理解の内ですが、
> 寄りによる像の崩れの少なさは、何収差が、と理解すればいいのでしょうか?

普通反射望遠レンズは主鏡が凹、反対向きの小さい方が凸になっているんで
すが、凹の鏡は光を収斂させる効果があるので凸レンズと似た性質を持ち、
また凸の鏡は逆に凹レンズと似た性質を持ちます。

つまり、レンズに置き換えると、最初が凸レンズ、次に凹レンズと来ている
望遠構成になっているので、反射により光が折り畳まれる効果と相まって
レンズ全長が短いわけです。

で、本題の寄りについてですが、Nikkor 500/8 などは、前群のみを繰り
出します。つまり、屈折レンズで言えば、IF 300/2.8 で行われたように、
後群の凸レンズ径を後退させるのと似た効果を持ちます(正確には、後
群の凸レンズを前進させ、さらにその倍の速度で前玉を前進させる。)
つまり IF 的なフォーカシングになるわけです。さらに、副鏡を支える
ガラス部分もレンズになっていますから、いろんなエレメントが移動する
ことになり、うまく設計すればかなりの収差補正が可能なようです。

あと、例の裏面鏡についてですが、あれはマンギンミラーといって、往復
2回利用可能なミラー前面のガラス面を用いて、その場で球面収差(反射
鏡でもレンズと同様に発生する)をかなり補正することができるそうです。
近接時に望遠レンズで問題なのは球面収差だと思うのですが、これが各エ
レメント毎に補正されているということは近接時の収差変動が少ないとい
うことになりそうです。そのかわりマンギンミラーは普通のミラーに較べ、
面精度が数倍要求されるということです。

色収差についても、パワーを稼いでいる系で発生する収差ですので、
やはりガラス部分は問題ではなさそうです。

以上かなりの部分が例の「写真レンズの基礎と発展」からの受け売りでした。