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[nikomat:04753] AF Coupling



こやの@筑波大学です。

fj.rec.photoのフォローをここでつけるのは反則でしょうが、
お書きになられた方がこちらにいらっしゃるし、あまりヲタクな
話ですからこちらにふります。(全文は最後に引用します)

日浦さん@兄弟

>難しいところです。最初に出た F3AF 用レンズはレンズ内モーターでした。
>これがAF で使えるカメラは F3AF, F501, F4 だったと思います。
>いわゆる F501 以降の AF はボディ内モータ駆動方式で、以来ニコンは
>基本的にボディ内モータ方式です。

この記述が、きれいに忘れ去っていた記憶をよみがえらせました。
あれは72年頃でしょう。ニコンから送られてきたニッコールレンズ読本
(あのころは分厚かった)の終わりの方に載っていた250枚バックにM
D1つきF2フォトミックにくっついてた試作品ニッコール。焦点合わせ
が自動!というので子供心にびっくりしました。いつか、こんな時代にな
ると。たしか80/2.8だったとおもいます。黒くてざらざら塗装で、正面か
ら見た形はでっかい蒲鉾の断面みたいだった。当然モーター内蔵。

あの本、もう一度見たい!
ガキの頃、毎晩指くわえて眺めていたあのニッコールレンズ読本、どこか
で手には入らないかな〜。アレを毎晩眺めて、6/2.8だ、op10/8だ、2000/
11だ、フォーカシングユニットだ、ベローズ用だ、メディカルだ、ウルト
ラマイクロニッコールだ、とレンズの姿だけ、スペックだけが脳味噌の
奥の方に沈殿して封印されていました。そう、ワイングラスが斜めに並ん
でいる写真があって、普通に撮ると一部しかピントが合わないのが、PB
4を使ってアオるとパンフォーカスになるという写真が載っていたっけ。
巻頭には、木村伊兵衛の沖縄のシャクナゲ(カラー)、土門拳のお寺の門
柱(モノクロ)。三木淳、遠藤周作(フランス留学当時、下宿の婆さんの
写真を撮ったら頭がちょんぎれて嫌な顔された。北杜夫にクソミソにけな
された写真が木村伊兵衛審査のコンテストで金賞になった)、北杜夫がエ
ッセイを書いていた。焦点距離とパースペクティブの作例が大阪万博の太
陽の塔だった。

大事にとってあったはずだけど、実家を壊したときにどこかに行ってしま
った。母のベス単も。残っているのはライフの写真講座だけ。

#そのくせSAO星図、セキ写真星図なんてのが残っている。

ついでに言えば、当時の同級生に会社の社長の息子がおりました。フォト
ミックFTNに8/2.8をつけて見せびらかしてました。んで、みんなで前玉
をベタベタ触って指紋だらけにしてあげたっけ。ワタシは、ヨダレ垂らし
て離れて見てました。あのとき、思いっきり触っておくんだった。
生産中止になった今となっては、夢のまた夢。

#とおい、超ヲタクな追憶。このMLの人でないと御理解いただけまいて。


古谷野 有@筑波大學低温センター
koyano@bk.tsukuba.ac.jp


−−−−−−−−−−−−−−(全文引用モード)−−−−
ひうらです。

#河野さんにも召喚されたような気が・・

>> >もしそうだとすると現在のニコンやミノルタ等のレンズは機械的なAFにも
>> >電気的に連動しているAFにも対応しているのでしょうか?
>> 
>>  レンズ内駆動方式は各レンズにモーターを内臓しなければいけないので、
>> レンズの価格は高価になってしまうことが考えられます。
>> ボディ駆動方式はこの点ではレンズの価格を押さえることができます。
>> しかし、特に望遠レンズなのでは、レンズの前方に位置するフィーカシング
>> に関係するレンズをボディからギヤを介して駆動していたのは、
>> AFスピードに関してハンディとなります。ニコンは当初から
                                         ^^^^^^^^^^^^^^^^
>> レンズ内駆動方式にも対応できるようにAFカメラを設計していた
>> らしく、最近、AF望遠レンズはレンズ内駆動方式化されています。

難しいところです。最初に出た F3AF 用レンズはレンズ内モーターでした。
これがAF で使えるカメラは F3AF, F501, F4 だったと思います。
いわゆる F501 以降の AF はボディ内モータ駆動方式で、以来ニコンは
基本的にボディ内モータ方式です。

ところが望遠レンズでは高速かつ精密にフォーカシングする必要があるので、
レンズ内モータ方式が出来ました。これが使えるカメラは F4, F90, F70, F5,
Pronea 600i だと思います。

問題の「当初」ですが、F3AF は例外として考えるのが妥当でしょう。という
ことで、当初はレンズ内駆動方式は考えていなかったということになると思い
ます。

ちなみに、常にレンズ内モータ方式の方が速いとは限らないですね。軽い
エレメント駆動ですむレンズはギア比を大きく取ることができるので。
ボディ内モータが強力な機種では、安いレンズ内モータのレンズよりも速い
と思います。逆に、どうしても重いエレメントを駆動せざるを得なかったレ
ンズは遅くなります。

高級なカメラほど強力なモータを積んでいるようなので、F5 で使えばすごく
速いということもあります。時代によってかなり強化もされているようです
(たとえば、F90X は F90より AF が速いですが、モータの改良、ギア比の変
更と CPU の高速化によって達成しているようです)。

わりと CPU 性能も重要なようです。F5 はオーバーラップサーボといって、
レンズ駆動中も逐一合焦計算するとか、さまざまな工夫が凝らされているよ
うですね。

#でも AF は持ってない・・・

>> >ニコンレンズの後ろについているAi等のアルファベットはその違いを
>> >あらわしているのでしょうか。
>>
>>  Aiはレンズの開放F値をボディに伝える方式に関するニコンの名称です。

たしかに、開放F値も伝えますが、これはマイナーな事実っすね!

Ai は Auto Index か何かの略で、レンズの開放F値ではなく、レンズの
絞りリングの位置をボディに伝える方式のことです。絞りリングのマウ
ント後端の出っぱりが、ボディのマウント外周についている爪に引っ掛
かりますよね。この引っ掛かりは、レンズを取りつけると「自動に」
引っ掛かるので、[auto] なわけです。

さらに、Ai は、レンズが「何段絞られているのか」をボディに伝えます。
だから、ボディにレンズの開放F値を手動で設定する必要がありません。
これが [auto] の正体です。実際、FM/FE 系や F3 は、レンズの開放F値
をボディは知りません。

# Ai 以前では、爪がレンズの一定のF値のところに取りつけられているので、
#なんらかの方法(手動、もしくは半手動 ^^) でディにレンズの開放F値を
#設定し、ボディ側で「絞り#リングの位置」から「開放F値」を引き算して
#露出計算をしています。

ちなみに AF のレンズにも Ai の引っ掛かりはあるので、Ai 方式です。
だから正式には AiAF Nikkor になっているはずです。

#ま、ふつう Ai, AiS とここで書いているときには、レンズの世代
#(Auto, New, Ai, AiS) を表したくって書いていることが多いので、
#MF のレンズを指しますが。

ボディ側で言うと、F401, F50, プロネアはこの Ai の引っ掛かりを受ける
機械的連動部分がないので、Ai 方式には対応していません(だから MF
レンズでは露出計が動かない)。絞りの設定もボディ側からしか設定でき
ないのはこのためです。

逆に、AF のレンズを昔の MF のボディにつけても使えるのは、AF の
レンズが Ai 方式でもあるからです。

レンズの開放F値は、AF のレンズでは電気的に伝えています。しかし、
機械的に連動するためのでっぱりも依然マウント内に設けられています。
この出っ張りも Ai 以降なので、Ai 方式の一部と考えられます。

この開放F値を見ているボディは意外に少なく、EM/FG/FG20/FA/F301/F501/F4
ぐらいだと思います。FG/F301/F501 ではプログラムAE線の設定に、FA/F4 では
さらにマルチパターン測光のために用いています。EM/FG20 は?といえば、この
2機種だけで使えた SB-E / SB-19 というフラッシュにレンズのF値を伝えるた
めに用いているようです。

F90 などにはこの出っ張りを受ける機構がないので、MF レンズではマルチ
パターン測光ができません。ファインダ内の絞り値表示も出ないはずです。

メーカによる Ai 改造では、このマウント内のデッパリは追加してくれません。
ですから F4 でマルチパターン測光が出来ません(FA は出来ると思う。勝手に
F2.8 のレンズと思い込むはず)。FG でもプログラム線が若干移動します。

ちなみに自前で Ai 改造する人のなかには、このデッパリも自前で追加して
完全に Ai 仕様にしてしまう強者がおられます(と何度か書いたなぁ)。


−−−−−−−−−−−−−−−(おしまい)