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[nikomat 1057] Re: microscope lens question
ひうら@きょうだいです。
まごめさん:
> そろそろ、ひうら@兄が出てきそうな頃なんだが、・・・。
出てきました。
> > そこで気になるのですが、レンズの非研摩部分はレンズの製作過程か取り付け構造
> > の都合で必要なのでしょうか。鏡筒の金属でカバーするわけには行かないのでしょう
> > か(作動距離が減る?、反射散乱光が出る?)。
顕微鏡対物レンズのさきっちょの話ですよね。
開口数が大きいこの手のレンズは凹レンズで始まりますし、そもそも、前玉の
後の光路はまだ広がっていってますから、あまり小さく細くは出来ないと
思います。
それと、普通写真レンズは、ガラスの両面を研磨して、それから、ガラスの
コバ(外周)を削ります。このとき、屈折面によって決まる「レンズの光軸」
がきっちり中心になるようにしないとなりません。これを心取りといいます。
写真レンズの場合、特に小さいものでなければ、玉をがっちりホールドする
金具で「機械的に」心を出します。ですが、これが、小さくなったり
薄くなったりすると難しくなると思います。
顕微鏡の先は小さい凹レンズですよね。特にこれは難しいのでは、と思います。
で、顕微鏡レンズの場合などであれば、この心は光学的に計測して、それを
元にクランプして削るなり、組み立てるときに位置を合わせるなりすると
思います。この方法だと、つかみしろ とか必要になりそうですね。
それと、いくつか話が出ていますように、顕微鏡レンズでは「回折光」の効果
が効いてきますが、こういう世界では、「幾何学的」に光が通過するところ
だけガラスがあればいいわけではないのです。
実際には光は波であり、広がろうとしますから、前玉の先の開口部分と、
後の開口部分を直線で結んだところまでぎりぎりまで削っちゃったレンズと
残してあるレンズでは、厳密には光学的性能が異なってきます。
回折光にレンズの側面が影響してしまうわけですね。
> 昔は「墨塗り」ちゅうくらいで、本当に墨を塗っていたようです。ただし、Z物は
> 違うと思います(クレヨンか???)。
> 墨のいいところは、ニカワでしっかり付く。有機溶剤で溶けない。
> 今では知りませんが、とっても光を吸収するペンキが有ります。
コバの塗りが甘いレンズはコントラスト低下するのでいやですよね。
特に各玉がぎりぎりのサイズだったりするとだめっす。
いいレンズは、余裕のある玉サイズを使い、不要光は玉の半径で切る
んじゃなくて、絞り板で切ってありますね。ああいうのはいいっす。
では
---- 日浦慎作 Shinsaku HIURA ----