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[nikomat 1198] Re:Bessa-L



よしだ っす。

In message <199901280229.LAA48702@ml.asahi-net.or.jp>
   "[nikomat 1194] Re:Bessa-L"
   "INUI@anzu.dse.ibaraki.ac.jp, Masatomo <inui@anzu.dse.ibaraki.ac.jp>" wrote:
 > これはネジ部で位置は決まらないから,それ以外に位置決めの部分を作って
 > おけ,という意味ですか?

「ネジ部だけでは 締結時の 回転位置 が 安定しないから」ですね。

 > ペンタックスとかフジカなんかは,それでもM42で
 > なんとか情報伝達をしようとしたわけですが,どういう方法を使ったのか
 > 関心があります.

ペンタックスは、それでも それ(絞りの伝達には 回転位置を使う)を
やり(SP,SPF)、挫折したのです。
Voigtlanderは、回転のほにも きちんとロックピン(回転ストッパー)を
入れていました。しかし、それにも拘わらず、絞り連動で 前後するレバーを
レンズに設け、正確な「そのレバーの座面からの出っ張り量」で 検出して
ました。

# ちなみに、多くの L39や M42レンズは 一応 ネジの切り出し位置が 
# 大凡 一致してます。これは きっと 治具を 使ったのだと思います。

 > そういえば,ニコンの佐々木さんという方が,レンズ設計を例に,公差解析に
 > ついての良い論文を書かれていますね.

彼(私が中途入社でなければ 同期)とは、昔からの付き合いで、彼は
ずっと 作る側からの 設計のモデル化(CADのほうから)みたいなのを
やってたから、彼と 話すと 逆方向からのアプローチなので 面白いです。

 > こういう知識ってすごく大切なんですが,みんな現場にあって,大学には
 > ない.そんなわけで,製造性を設計段階で評価せよ,っていうスローガン
 > は言えても,なかなか研究にはならないんですよ.シクシク.

製品の設計って、どうやって 加工されるのかが分からないと、線一本引けない
(加工機に取付けるときの基準面が変われば、同じ機能でも 全く違う部品に
  なる)です。だから、機械工学科では、こういう実習が必須科目なんだと思い
ます。

修士のとき、大学の工場に 恐ろしく公差の小さな図面を出して 加工依頼したら、
「描いた奴は、これが加工可能だろうと思って描いたのだろうから、その学生が
  どうやって 加工するのが、是非 勉強してみたい」
と、教授を通して お呼びが掛かりました。(^^;;

# tit(得に機械系)は 結構 スパルタ教育です。

 > #ニコンさん,共同研究しません?

メカ設計屋の場合、部品図を書くときは、絶対に 加工順序や チャック位置を
無意識に 想定してます。そして、そこ(その部品における 全ての寸法の 原始
を データム と 言う)から 寸法線が出る。
これを 自動化しようとしたら、加工機のモデルとかも 絶対必要でしょうね。
んで、人間に変わる自動設計(自動CAD)となると、最後に こういう部分が
大変だろうと思います。

# んで、私は 佐々木の居る あの分野には 興味無い。

 > 吉田さんにうちの非常勤講師をお願いしようかな.ステッパを例に,設計
 > と製造のからみのあたりを,現場の人にガンガン話をしてもらうと,面白
 > そう.

だから、私 ステッパのこと 殆ど 知りません (^^;;

なお、佐々木が やっているのも、カメラ事業部関係だけですよね。
あれは 量産品だから ああいう モデル化を し易いんです。

ステッパーなどは 上記の 無理難題の集大成ですし、そうなれば 当然 1つ1つ
が 手作りに近いので、「製造技術」でなく「製造技能」の話になりそうです。(^^;;

# っつう話 を mgmさん(解水質だったころ)と よく 議論してました。


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