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[nikomat 11111] Re: Human error always occures atmostimportant situation



ひうらっす.

くわしい解説ありがとうございます.
フィルムの構成は「カラーフィルム撮影テクニック」とかに
出ててたんですが,発掘不能のため ^^; 

研究室のOBでフジ写真フイルムに就職した方がおられるそうですが,
伝聞で聞いたところによると「他社から新フィルムが出ると,
層を全部剥がして,分析(クロマトみたいなの?)にかける」とか
いう話です.大変そうです.

川口さん:
> > ちなみに,フィルタは3色すべてそろっているわけじゃないんで,
> > (3層のフィルムの場合,フィルタは2つでOK)
> > 合わせて色づきのない(ニュートラルな)半透明とはならないと思いますよ.
> >
> > #例えば前の例で,緑,赤,青の順に感光層があるとすると,
> > #緑の下には緑を通さない層(マゼンタの層),次に赤を通さない層
> > #(もしくは緑と赤を通さない層,つまりシアンもしくは青の層),
> > #という順序になるはずなので,透過色は青くなるはず.

> カラーフィルムの層構成は、一部の例外を除いては、
> 青感光層/黄フィルター/緑感光層/赤感光層/ハレーション防止層/ベース
> になっています。ハロゲン化銀固有の感度は紫外から青に存在します。
> 緑と赤感色層は、シアニン系色素で分光増感して感度を持たせています。
> 分光増感したハロゲン化銀でも、固有感度域の紫外から青に感度を持つので、
> 青感光層の下に黄フィルターを置いて青色光をカットしてやる必要があります。
> 分光色素の吸収は緑のみ、赤のみであるので、緑感光層と赤感光層の間には
> フィルターは不要です。

なるほど,各層の感度域がちゃんとコントロール出来ていれば,
確かにフィルタは必ずしも感光層の間になくても大丈夫ですね.

#青の感光層の前には紫外をカットするようなフィルタがあったり
#するのかな?フィルムによっては.(リバーサルにあったような)

> ハロゲン化銀自体の色は、白又は淡黄色です。
> 乳剤は、ゼラチンにハロゲン化銀粒子を懸濁させた状態なので、基本的には
> 乳白色です。

これは理解できます.白黒の印画紙も特に色は付いてませんし.
この「白または淡黄色」が,黄色フィルタと絡んだり,あとハレーション
防止層やベースの色によってああいう色になるんでしょうかね?
感光面側から見ると,ハレーション防止層はフィルタよりも奥なので,
少なくとも「ハレーション防止層の色」は都合2回,黄色フィルタを
通過しているように思えます.
それほど濃い黄色ではなく,白色っぽいのは,乳剤そのものの内部の
乱反射もあるのではないかという記もします.

そういえば裏面は黒っぽいけど,感光面側はもうちょっと肌色っぽいですね.

> フィルムの色は、殆どがハレーション防止層の色です。
> ハレーション防止層を持たない、Kodak ハイスピードインフラレッドは、
> 表から見ても裏から見ても、薄い黄緑色をしています。

なるほど.
でもこのフィルムはカラーフィルタの構成も違うのではないでしょうか?

> 1μの乳剤粒子には10^10個程度のハロゲン化銀粒子が含まれます。
> 光反応によって、この粒子中に4個以上の金属銀が生成すれば、
> この粒子は現像可能となります。
> 通常の露光レベルでは、20個程度の金属銀が生成すると言われています。
> 10^10個のハロゲン化銀分子中、20個が金属銀として黒化しても、
> ハロゲン化銀粒子全体は元の外観を保ち、変化は見えません(潜像)。
> したがって、通常の露光レベルでは乳剤の外観に変化を生じることは
> ありません。
> 
> 現像主薬は、金属銀が生成したハロゲン化銀粒子を選択的に還元し、
> 粒子全体を黒化銀に変化させます。この段階で初めて目視可能となります。
> 光に当てただけで黒化するような乳剤は、POP(Print Out Printing)
> 感材と呼ばれていて、非常に特殊な用途にしか使用されません。

現像段階で連鎖反応によって発色させるので,光が当たった時点では
ほとんど化学的変化がないということですね.

ポラロイドのフィルムとかはどうなんだろうとか思ったこともありますが,
あれも出て来てすぐは単なる灰色ですからねぇ.

では


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 日浦 慎作  Shinsaku HIURA
 大阪大学大学院 基礎工学研究科
 システム人間系専攻 システム科学分野
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