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[nikomat 22898] [--yota] jyumyo - Overseas (Re : Car Maintenance)
宮崎です。
お外で見た車に関する話を幾つか。
一応走行距離に関する話の筈だったのですが...
既に主題とずれてきていますし、どんどん別方面の話になってい
ますがご勘弁を...
私の場合、海外での撮影では車を手配することが良くあります。
ドイツやポーランドですと自分でレンタカーを借りて運転し、撮影に
使いますが、道路もマナーもよくない国(レンタカーなどという物が
ない国も多い)では、運転手ごと車を手配して数日使います。
場合によっては現地のタクシーも使うのですが、ホテルから撮影
地が遠い場合や追い掛けをする場合、ホテルの出発/到着時間
が早い/遅い場合も多く、現地旅行社を介して専用の車を手配す
る場合が多いのです。
中国
人数が多いとワゴンかマイクロになりますが、旅行同行者が1人
(私入れて二名)でもハイエースクラスのワゴンになる事が一番
多いです。
乗用車に比べると車内の体積が大きく、厳冬期は暖房の効きが
悪いのが難点ですが(最後部座席は冷凍室)、伸ばしたままの
三脚が積めたり、車内での作業が出来るのがメリットです。
中国でも日本車は人気でよく見かけますが、全て左ハンドル仕様
の正規輸出車です。ハイエースクラス・ランクル・パジェロ・VW(ラ
イセンス生産車)・プジョー等に乗った事がありますが、走行距離
はおおむね20万km以上でした。
中国の場合、「動けばよい!」と言う考えが強く、車が壊れても応
急修理だけ済ませてそのままという場合が極めて多いので、車で
の移動では何時もはらはらします。
メーターケーブルが切れても当然そのままなので、走行距離計が
止まった車が多く、正確な走行距離は不明な車が多いというのが
実状です。自分が乗った中で一番距離走っていたのは、30万km
を越えたハイエースワゴンだったと思います。
結構メーター動かない車が多くて...
ミャンマー
非民主的軍事政権下にあり、先進諸国から経済援助を止められて
いる同国は、怪しい日本中古車爆発の国であります。
特にトラックとバスが凄くて、第二次大戦中の英軍トラックを改造し
たバス(!)や元祖ミゼット、30年以上前の日野のボンネットトラッ
クから、ほんの数年前に日本国内で廃車になったばかりのハイデッ
カー・ハイウエイバスまでが、渾然一体になって走っています。
面白いのは「日本の中古」と言うのが「誇り」なので、日本時代の
塗装とかステッカーとかを極力残してあります。ミャンマーは現在
左ハンドルですが、バスのドアは改造しておらず、車道側から乗客
が乗り降りしています。
韓国ヒュンダイの中古バス(左ハンドル)もたまに見かけますが、
95%以上は日本の中古バスで日本時代の塗色そのままで走って
います(バスマニアが見たら泣くであろう)。
この国で手配する車の走行距離はどの車も数値が大きく、1998年
に手配した15年落ちぐらいのトヨタハイエース(右ハンドル)のメーター
は稼働中で、80万kmという距離を刻んでおりました。私が過去に
見た中での最長不到距離はこの白いハイエースワゴンでした。さす
がにガタが来ていましたが、乗っていて特に恐い感じもしなかった
です。
その他、ミャンマーで乗る日本中古車(ちなみに日本の中古車以外
は、前述の大戦型バスとヒュンダイバス以外は殆どない)の走行距
離数は桁が明らか違います。どれくらいのメンテが行われているか
ですが、経済的・民族的な面からしてロクなメンテナンスはやってい
ないと推測されます。
この国では石油は殆ど産出されず、経済封鎖を受けているためガソ
リンは配給制になっており、エンジンオイル等の油脂類も質が悪い
と思われます。車の部品もどれくらい入っているか、かなり怪しいと
思います。
そんな状況下で酷使されていますので、よく壊れます。
道ばたでは大型トラックからバス、ピックアップまでが壊れた場所に
そのまま停車中で、人が潜って修理しています。その場限りの応急
修理で立ち直って(中国同様応急修理で済ませて居るであろう)、
車にとっては条件の悪い高温多湿の国を今日も走っています。
日野のボンネットタイプのトラックがまだ多く走っています。
多分、1960年代〜1970年代に掛けての日本の経済援助品だと思い
ますが、近年輸入された10年落ちぐらいの中古トラックに混じって走っ
ています。あれなんか、走行距離どれくらいなのでしょうか?
ダイハツがミゼットを復活させたのはもう数年前になりますが、ミャン
マーの3番目か4番目の都市であるBago(バゴー)と言う街では、い
まだに3輪のミゼットがボロボロになりながらも纏まって使用されてい
ます。さすが世界広しといえども、原型ミゼットが現役で走っているの
はあそこだけでしょう。
その他、丸っこいカローラ・ブルーバード510・初代コロナマーク2(日本
初の2ドアハードトップ)等々を見かけました。今現在、首都ヤンゴンの
流行はトラッドサニーのようです(冗談ではなしに)。
去年の話ですが、帰国する直前に首都ヤンゴンでタクシーに乗りまし
た。20年ぐらい前のセドリック右ハンドルで明らかに日本の中古タク
シー(の、成れの果て)です。ウインカーは全部割れるか取れるかして
いました。運転手は爺さんでした。
車内もボロボロで、かつてラジオがあった場所やメーターがあった場
所は空洞になり電線が飛び出ていましたが、スピードメーターは生き
ていました。走行距離は67万kmを指していました。
つい先日まではそのままに受け取っていましたが、先週の日曜日に
聞いた話から考えると、167万km走ったと見るのが正解ではないでしょ
うか。既にサスも死にかかっており、1年以上経った現在はもう動い
ていないかもしれません。
ミャンマーは道路事情も悪く、殆どの道路がダートに近い(舗装しても
質が悪く、雨期には剥がれる)状況で、車にとっても相当過酷な条件
の筈です。
乗りっ放しや、いい加減なメンテナンスでどれくらいの耐久性があるか
はミャンマーに行くと良くわかります。他の国の車がロクに走っていな
いので他国車両との比較は出来ないのですが、ミャンマーで酷使され
ながらも走っている日本中古車を見ると、
「日本車って、いい加減メンテナンスで使った場合は、世界最強ではないか?」
と最近は思うようになりました。
End
(株)リコー 秦野事業所 宮崎 昭彦
E-mail:amiyazaki@nts.ricoh.co.jp