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[nikomat 27316] Re: D100(2)(2)



乾です.

すいません.カメラとは関係ないネタです.読み飛ばしてください.

At 11:11 02/03/01 +0900, you wrote:

>At 10:45 AM +0900 02.3.1, Masatomo INUI wrote:
> >今,経済産業省が主導で,デジタルマイスタというプロジェクトが動いていまし
> >て,年間数十億を費やして,消えゆく職工さんの「技」をデジタルに記録して,
> >後世に残そう,という研究などが行われています.(それ以外の研究ももちろん
> >行われています)
>
>国が主導で行う研究プロジェクトって、国は、本当に成功させよう、
>成果を出そう、と思っているのでしょうか?

まず,一つ考えなくてはいけないことは,研究のほとんどは,最後は失敗
に終わる,ということだと思います.未知なる世界に切り込むのですから,
普通失敗しますよね.

ところが,日本では,失敗した研究を失敗と考えていない雰囲気が
あります.論文が出れば「成功」みたいな誤解があると思うのです.例えば
私は工学部に席をおく身ですから,実用研究にかなり近い立場にいます.
でも私の成果が,直接の実用化に結びついたのは,この世界に身をおいて
既に10年以上が経過している中で,2〜3件,いくらか商品に影響を
与えたものを含めても5件程度でしょう.ある意味で,残りは全て失敗に
終わった研究なわけです.

#納税者のみなさん,ごめんなさい.ベストは尽くしているのですが.
#それに失敗した研究でも,学生教育に有用な例は多いです.


>あえて、成功しないようなものに大金(税金から)を出す、
>間違って成果が出そうなときには、邪魔をして成果が出ないようにしている、
>ように感じます。

国が新しいプロジェクトを立ち上げるとき,その前にたいてい諮問会議
が作られて,有識者に色々と相談してもらい,研究の大筋を決めます.
この有識者が曲者で,ほんとうに現場を知っている方よりも,声が大きい
評論家とか,大学の偉い先生,そして有名企業の経営者とかが
参加して話をするわけです.結果として,基本方針から既に現実から
隔たりを持ったプランができあがります.

研究は本来失敗する可能性が高いし,それにプランそのものが間違って
いたりすると,もう失敗することは不可避じゃありません?さらにたちが
悪いことに,役所はとにかく報告書が出さえすれば,その成果が価値
あるものでもないものでも,とにかく成功とみなし,きちんとした総括は
しないのですね.

#以下は,ムカッとくる人が多いかも知れない発言.

もう皆さん覚えてないでしょうけど,シグマにしても第5世代にしても,
はたから見れば明らかに失敗なんだけど,誰も表立てそうは言わない
ですよね.第5世代の終了後ACM(米国の計算機学会)は特集を
組んで,第5世代は基本的に失敗,最初にロジック言語を選んだ
段階でダメ,みたいな結論をだしたけど,プロジェクト当事者の発言
は「成功」に近いのが多かったと思います.あのころはバブルのころ
で,多少の失敗は大目にみてもらえたけど,今ならかなり問題になった
でしょうね.プロジェクトの責任者は,東大の教授になられましたが,
当時東大にいた僕なんかは,ちょっとムカつきましたね.


>私が関わってきた少ないサンプル数での事例からの推論です。
>お前の推論は間違っている!!という御指摘をお願いします。

いえ,間違っていないと思いますよ.つい先日お会いした企業の方は,
IPA(情報処理振興協会)がらみのプロジェクトで成功したもの(実用化
という意味)は皆無と言い切っていましたし,似たような話はよく聞きます.

#まあ,IPAは今度の特殊法人改革で消えるそうですけど.


>#有能な人は海外へ流出していきます。何故???

これはよく分かりませんし,私はそうは思っていません.私は有能でも
なんでもありませんけど,職場を選択する際に海外は一切考えません
でした.私,日本の田舎が大好きなんで.

では.