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[nikomat 29160] Re: [nikomat 29034] Re: Re:BC−4
丹後屋す
川口さん:
> 低照度露光は光量子が入射してから次の光量子が入射するまでの時間が
> 長い状態といえます。
> このことは T や T(Ag1) といった浅いトラップに電子が捕獲された状態で、
> 次の光量子が来るまでの時間が開くということを意味します。
> この間に、トラップされた電子が熱的に励起してトラップから抜け出ていくと、
> 亜潜像核は破壊されてしまいます。
ここを防ぐのが、★の人達が使う、冷却方ですね。
> 銀サイズが4個になるまでに、4個+熱励起で失われた電子の個数の
> 光量子の入射が必要になり、入射光量子の利用効率が悪化します。
> これが低照度相反則不軌です。
この4という数字には何か意味があるのでしょうか?
化学の言葉を忘れてしまいましたが、結合の腕の本数でしょうか?
低照度相反則不軌の解説は、天体写真のHPに比較的多いのですが、
高照度のほうは少ないです。
> 高照度露光では光量子が入射する間の時間が短い状態といえます。
> このために伝導帯に複数個の電子が励起されます。
> ハロゲン化銀粒子は一粒子中に複数の電子トラップ部位を持ちます。
> 複数の電子は手近なトラップに捕獲され、複数の亜潜像核を形成します。
> 引き続きの露光で、電子は複数個の亜潜像核にトラップされていきます。
> 現像可能となる銀サイズは4個です。複数の亜潜像核が形成されると
> 入射光量子の利用効率が悪化します。以下に少し極端な例を示します。
>
> 例えば、合計9個の光量子が入射する場合を考えます。
> 高照度露光のため、一度に伝導帯に3個の電子が励起されました。
> 手近なトラップに落ちて、亜潜像核 T(Ag1) も3個形成されました。
> 引き続きの露光で、最終的には3個のT(Ag3)が形成されます。
> しかし、何個あってもT(Ag3)は亜潜像核であり、現像不能です。
> 最初のT(Ag1)が1個だったら、9個の光量子によってT(Ag9)の潜像核が
> 形成されて現像可能になったはずなのに、顕像が形成されませんでした。
> 銀サイズ4個になるためには、更に1個、合計10個の光量子が必要です。
> この例の場合、高照度露光では感度が4/10になってしまいました。
この例は実に分かり易いです。
してみると、
長文堂さん指摘の閃光時間と、当時のカラーフィルムの性能から、
1/1000程度でも既に高照度相反則不軌が起こっていたから、という理屈は
なるほど、と実に納得です。
まごめさんの調査のその後を待つ。
(SB-1のGN決定はニコン内部ではどう解決されていたのか?)
> 高照度相反則不軌のメカニズムは大体こんな感じです。
ありがとうございます。
勉強になりました。