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[nikomat 34743] Re: 眼位補正(メガネの話し)
ひうらっす.
すぎやまさん:
>あの本で驚いたのは、彼の有名な写真の中には
>難しいネガが多く、焼く段階でかなり苦労していることです。
へえ,そうなんだ,・・・
zone system の考え方は,焼きやすいネガを作ることが基本と思って
いましたが,まあ,それがいつも満たされるとは限りませんね.
#私もようやく?曇りの日の現像時間を晴れの日より長くする程度
#にはなりましたが,・・・
>もし、あとで手を加えないのならばデジカメでもそれがベストなんですが、
>もしデジタル暗室作業を実践するのであれば、
>ゾーン法的な露出決定がいいと思います。
ここが難しいところでしょうね.パッと見た目のよさを優先させるか,
それとも,出来るだけ広い再現域に収めるように露出をかけるか.
カメラがそれを勝手に予測することは出来ませんからね.
オヤジの D100 なんかの写真を見ていると思いますが,明らかにこれは
アンダーだなと思える露出が良く出るようです.PC上で補正すると
いいのですが,そのままだとどうにも使えない絵が出ることが割とある.
1つは,カラーネガだとプリンターがそれを補正してくれていたので
露出の問題はあまりユーザには意識されなかった(評価測光で十分)
と思われるのですが,デジタルになって,出てきた絵をそのまま鑑賞する
人口が増えたため,むしろ露出精度(というか,撮影者の意図に露出が
適合しているか)を満足行くものにするのが難しくなっているように思えます.
撮影者の意図や被写体の内容という意味で必然的に評価測光には限界が
ありますからね.
リバーサルフィルムを,カラーネガしか使ったことのない一般ユーザに
使ってもらっているようなスリル?がありますね.
>つまり、シャドーが潰れず、ハイライトが飛ばないことを優先させた露出決定です。
>D1で撮影して、ヒストグラムを見るとシャドー側にまだ余裕があるのに
>ハイライトが飛んでいることがあります。
>F5/D1タイプのmatrix測光ならば、zone sytem的な露出モードをカメラに加えることは
>簡単な気がしますので、是非実現してほしいです。
これは可能でしょうね.
ただしクロームめっきされた物体に太陽が映り込んだりした場合にそこまで再現
させるのは難しいでしょうね...
コンピュータビジョン研究で,物体の反射率を測るような研究では,まず,
普通のCCDでつやの部分とその他の部分を同時にうまく取り込むことは出来ず,
露出を変えた画像を複数合成するか,冷却CCDを使います.
ただし写真表現という面では,あきらかなこのような鏡面反射部分についてだけは
飛ばしてしまっていいと思うので,難しいですね.
最近オーディオの話が出ることが多いですが,これについてもデジタルになり
録音方法が変わりましたね.アナログの時には,ある程度録音レベルを高くして
おいても,あまり極端に割れることもないし,むしろヒスノイズ(テープの高音の
ノイズ)が気にならないためにはあまり低い録音レベルには出来ませんでしたが,
デジタルになって,あまりノイズが問題にならなくなり,またデジタルで再現
できる領域を越えると一気に音が割れるので.
それとデジタルはやはりリバーサルフィルム的ですね.
デジタルで表現可能な最大数値より明るい部分は絶対に再現できませんからね.
リバーサルでも,いわゆるフィルムのベース透過率より明るい部分は表現できない
わけで(ネガだと,理想的なものを考えれば,明るければどんどん濃度が濃くなる
というので表現は可能ですが),やはりハイライト側に弱いわけで,どちらも
安全を考えると暗めの露出にならざるを得ないのですが.
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日浦 慎作 Shinsaku HIURA
大阪大学大学院 基礎工学研究科
システム人間系専攻 システム科学分野
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