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[nikomat 1448] Re:Bessa-L
ひうら@きょうだいです。
けっこう、あなたも頑張りますね。
よいことだと思います。
かりにも学位を取ろうとか、学問をなりわいにしていこうと
いう人には、自分の信念に対して正直でなければなりません。
#そうでないと、自分に脳みそがあるということが無意味。
それが合っていようが、間違っていようが、それはどちらでも
よいことで、勝ったとか負けたとかいうことではありません。
間違っていた・・とわかったときには、理解できたことを
本来は喜ぶべきです。その瞬間のために、僕もいろいろご迷惑を
かけているとも言えます。
むしろ、最終的に理解する、またそれに対して真剣に努力することが
勝利であり、納得していないのになんとなく経験則のみに頼って
研究を行ったり、大家がおっしゃるようなことにはいっさい逆らわず
自説を取り下げるようでは研究者として不正直だと思います。
#常識をもって行動する人は人生においてなんらの選択も行わない。
#と言う言葉が、朝日新聞の芸能欄にも引用されていました ^^;;
書き方が悪いのは認めます。すみませんでした。-> 諸氏
(しかし、本当の僕は、実は「あれ」なんだ。と思います)
で、
おっしゃるとおり、「最終的に締めつけられた状態では」、応力は
分布常数的に発生する(だって、対象は至る所 弾性体だし、
応力が加わるところもまた分布している)わけですから、
ねじと座面に一番近いところがもっとも力を受けるのは
当然です。これは、よしださんがおっしゃったように、
ねじ切れるのはほとんど第1山から・・ということからも
言えるでしょう。
> > ただし、その座面を押し付ける圧力を生んでいるのは、座面の
> > 面荒さに対する変形と、ネジ部の変形で決まります。
>
> これが違うと思います。
>
> 座面||
> | V V V V ... 雌ネジ
> | | | | |... 雄ネジ
> 0 1 23 45 67 ...
>
> 座面を0として、断面から見て図のように1,2,3,...とします。便宜上、図の山
> 毎に分かれているものとします。座面が接触してからさらにネジ込まれると、
> 本来変形する必要があるのは0-1の間だけです。ここは座面の変形と混じりま
> す。2-3間は、0-1間の変形により生じた無理だけを吸収すればいいです。4-5
> 間は2-3間が無理した分だけ、6-7間は...と次第に変形は小さくなります。ネ
> ジ部全体の変形は起きません。
だれも、常に、ねじ部全体が一様に伸びます。なんて、
言っていません。面粗さは(コンプライアンスの観点では)
関係ない、って、せっかくあれだけ わかっていただけるように
説明したのに、・・・徒労でしたか。
さらに高次要因を持ち込んで、うやむやにしたいのか知りませんが、・・
前回の説明では、理解の容易のため、ねじ部の生じるコンプライアンスと、
座面の面粗さの生じるコンプライアンスに大きく別けて考えたわけです。
モデルを高次化して、分布常数系にしたり、立体的な応力分布を
論じ出したりしたら、そりゃもう有限要素法でも使って解析しないと
わかりません。
#でも面粗さはなかなか出てこないと思いますが。
で、あなたの主張した、面粗さが生じるコンプライアンスは、
上の説明ではどこに入ってるんでしょうか??教えてください。
で、あなたの主張した、面粗さというものは、コンプライアンスに
関しては支配的ではないというのは、よくご理解になりましたか?
さらに補足すると、
今回あなたが持ち出した話は、締結が進行した時点での
話になりますが、接触の瞬間を考えると、必ずしも分布常数的に
扱う必要はないのです。(力がかかるところが有限個の点だから、
その点にかかる力の観点だけで論じれば、内部の分布常数的な
応力分布はブラックボックスとして扱えます)
ここで問題にしているのは、ねじ部の加工精度と、座面の粗さと、
ねじのクリアランスがなくなる瞬間の挙動(コンプライアンスの
生成要因)です。そこで、ネジ山が接触し、クリアランスが0に
なった瞬間の周辺を考えると、ねじそのものにかかる張力は、
その瞬間に向かって極限を取ると0になります。なぜなら、
その瞬間は接触の瞬間であり、各部のひずみは0だからです。
で、そのときねじの伸びは0ですから、先ほどおっしゃっているように
ねじの基部に応力が集中しているということはありえません。
だって、最初から誤差を仮定した議論ですから。
ねじ部の加工精度が低いことにより生じる、ねじの山のうねりや、
らせんに沿ったねじ山のプロファイルのばらつきにより、統計的には
ねじ山のどこかで最初の「4点目の」接触が起こったと考えられますが、
その4点目がねじのどのあたりなのかも、わかりません。
ねじのピッチが狂ってくると当然前後しますし、また、ねじのピッチが
完全に同一で、なおかつ座面に対してねじの中心軸が垂直であるなど、
統計的な平均が誤差0であるとき(つまり加工精度によるばらつきを
統計値で表現したとき、その統計量の平均となるところは、誤差0と
すると)ねじのどの部分で最初に接触が発生するのかは、完全に
統計的にランダムとなります。
そして、そこからさらにねじ込んでいったとき、このねじの
誤差分布の分散が小さいほど、応力の発生は急激になります。
ですから、高精度なねじは、かちっときた瞬間が得られるわけです。
そこからさらに ぐっとねじ込むと、伸びが発生していき、接触点が
増えていき、応力がねじ山の基部付近に集中していくのは、おっしゃる
とおりだと思いますし、そのとき よしださんがおっしゃるように、
座面での摩擦モードが変化することもありえるでしょう。
> コンプライアンスを直列に書かれていますが、そういう現象は起きていなくて、
> 上に書いたような現象だと思うのですが違いますか?
いちいち書きませんが、誤差項が生じる現象は、最終的な
締結時の応力分布とは当然異なるということですね。
あくまで、座面の平滑性と、ねじの精度と、どちらが支配的か
あなたに理解していただくために、ああ書いたのですが、
これでわかっていただけなければ、・・
> > (ネジ部にかかる力は、締め付け中も、離したときも
> > 同じ方向ですが、座面は、逆に、締め付けが終わると
> > 摩擦力の符号が反転します。で、摩擦力の大小関係が
> > 反対だったら、さっくり緩んじゃいます)
>
> 摩擦は力に対して抗する方向に働くのですから反転するというのは、よくわか
> りません。
はい、説明しましょう。
ここでは、ねじをねじ込むときに発生する、ねじの軸廻りのトルクを、
1. ねじ部の摩擦抵抗
2. 座面の摩擦抵抗
3. ねじ部の斜面に、ねじの伸び応力が働くことによるトルク
の3つです。仮に摩擦が無視できる程度に油などを使った場合を
(もしくは循環ボール式送りねじでねじを構成し、スラストを
受けるベアリングで座面を作ってもよい)考えると、
ねじは、ねじ込むトルクを解放した時点で、3. の力、つまり
ネジの伸びが蓄えた力がトルクに変換されて、ねじ全体を
緩む方向に回します。
で、ねじの伸びに蓄えられた力が0になるところまで緩む。
実際には、摩擦があるからそうはならないわけですね。
ボルトの頭をスパナなどで回していくと、そのトルクは、
実際には上記の3つのトルクを反作用として受けます。
1. と 2. は、ネジの伸びが発生する力が、摩擦力に変換される。
3. は先ほどと同様。このとき、2. の力は、(ねじ頭のひずみを
無視すると :-p )直接スパナに伝わりますが、1. と 3. の力は
ねじの座面と、ネジのスクリュー部の間のねじれ(実際には、これも
分布常数的になる、と断っておいた方がいいかな?)を介して伝達
されます。
ここのねじれ力は、1. と 3. の合計になります。
そこで、スパナにかけた締めつけトルクを取り除くとどうなるか?
ここで座面は、この座面から先に蓄えられている、ねじれ力で
スパナでかけていたトルクと反対方向に引っ張られていますから、
座面の抵抗が仮に小さすぎると、ねじはゆるんでしまいます。
ちゃんとしたねじでは、そうならずに、座面は 1. 3. が
発生する力に対して十分な摩擦力をもって停止するわけですね。
これは 1. 3. の合計が、ねじ張力が生じる 2. の最大値を
上回らないという条件であることがわかります。
またこのとき、このねじれが生じるトルクが、ねじ頭、座面を
緩める方向にまわそうとします。この方向は、スパナで
締めつけているときのまま、つまりスパナがかけていた
トルクとは反対方向になります。よって、座面にかかる摩擦力
は反対方向に生じることになります。
(これが、僕が、符号が逆転すると書いた部分です)
で、そのまま 1. 3. と、座面の摩擦力が釣り合って
静止します。
反芻してみましょう。
> > (ネジ部にかかる力は、締め付け中も、離したときも
> > 同じ方向ですが、座面は、逆に、締め付けが終わると
> > 摩擦力の符号が反転します。で、摩擦力の大小関係が
> > 反対だったら、さっくり緩んじゃいます)
では。
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