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[nikomat 1453] Re: ねじ
ひうらです。
> と書かれていたので、「ネジ部の摩擦力」と「座面の摩擦力」の大小関係が問
> 題になると読んでしまいました。問題なのは「ネジ部と座面の摩擦力の合計」
> と「座面部とネジ部がひずみを解放しようと出す力による回転力」ですよね。
はい、そうです。
唐突に緩むときの話をしたので、混乱があったのかもしれません。
話がややこしくなるといやなので、座面部と、ネジ部の間に
集中常数的にトーションが蓄えられると仮定すると、
ネジから手を放したときに、ネジ部と、座面部に働く
トルクはこのトーションが蓄えているものです。
> > 1. ねじ部の摩擦抵抗
> > 2. 座面の摩擦抵抗
> > 3. ねじ部の斜面に、ねじの伸び応力が働くことによるトルク
>
> > ボルトの頭をスパナなどで回していくと、そのトルクは、
> > 実際には上記の3つのトルクを反作用として受けます。
> > 1. と 2. は、ネジの伸びが発生する力が、摩擦力に変換される。
> > 3. は先ほどと同様。このとき、2. の力は、(ねじ頭のひずみを
> > 無視すると :-p )直接スパナに伝わりますが、1. と 3. の力は
> > ねじの座面と、ネジのスクリュー部の間のねじれ(実際には、これも
> > 分布常数的になる、と断っておいた方がいいかな?)を介して伝達
> > されます。
> >
> > ここのねじれ力は、1. と 3. の合計になります。
>
> ねじれ力=スパナにかかる力だとすると、1,2,3の合計ではないのでしょうか。
すみません。ねじれ力というのは、この座面とネジ部の間のトーションバー
に働くトルクのことです。
ネジ部(1, 3) -- トーションバー -- 座面部(2) -- スパナ
という関係です。
スパナは全体を引きずっていこうとするわけで、締めつけている最中も
ネジ部は座面部を、緩める方向へ回そうと抗います。それがそのまま
トーションバーを通過するので、そうなります。
> > ちゃんとしたねじでは、そうならずに、座面は 1. 3. が
> > 発生する力に対して十分な摩擦力をもって停止するわけですね。
>
> なぜ、1と3が組みで出てくるのでしょうか。すでに締めつけが終って回転が停
> 止しているのですから、1も緩もうとする回転に抗する力となって、1と2を組
> みとするべきはないのでしょうか。
実際に緩み出すとそうかもしれませんが、摩擦力は滑っていなくても
力がかかっているとそれに応じて発生します。
現に、スパナから手を緩めたときに、トーションバーには 1. 3. の
力の合計がチャージされていますから、座面を緩めようとする力に
関して言えば 1. 3. の合計になります。
話を分離するために、ネジはやめて、1枚の板にボルトナットの
ようなもの(ボルトはすでにナットにロックされていて滑らない)
が組合わさってしめつけられているとしましょう。
で、このときボルトをスパナで回すと、ナットごとずるずると
回ってきます。このとき、3. の力は(当然、斜面がないので)
発生しません。
しかし、ボルトの軸には、その引きずっているときの力が蓄えられて
います。つまり、ナット側の摩擦力が、そのナットとボルトの頭の
間にねじれ力としてたまっているわけです。
ここで手を放したときに残っている力は、そのナットの部分の
摩擦抵抗分であり、ナット座面の部分でどのような大きさの
摩擦が発生していたのかは関係ありません。
このとき逆に、ナットのほうにスパナをかけて回していくと、
(ボルト座面のほうが摩擦が大きいと仮定したので)トーションは
今度はボルトのほうの摩擦力になります。
ここで手を放すと、(ナット側の摩擦力は小さいと仮定しているので)
緩みが生じます。
> > これは 1. 3. の合計が、ねじ張力が生じる 2. の最大値を
> > 上回らないという条件であることがわかります。
>
> ここは、3の力に対して1と2の合計の力を考えるべきではないのでしょうか。
実際に、ネジ部ごと、ずるっと緩むときはそうなりますね。
油まみれのネジ(で、ピッチも大きい)だったら、3に対して
1. 2. が小さいのでそうなるでしょう。
よろしいでしょうか。
---- 日浦慎作 Shinsaku HIURA ----