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[nikomat 1454] Re:Bessa-L
ひうらです。
> ここから、ひうらさんのモデルに対する反論。
>
> コンプライアンスを座面とネジ部に分けられています。ネジ部については山毎
> に分けられています。そして、ネジ部のコンプライアンスはすべてのネジ山に
> ついて並列に書かれています。そしてネジ山すべてと座面に関しては直列に書
> かれています。
>
> ここで前にした質問なのですが、なぜネジ山と同等に座面を扱わないのでしょ
> うか? すべてのコンプライアンスは並列に扱うべきではないのですか?
並列に書かれているコンプライアンス成分は、ある力を互いに分力している
ということを意味します。ネジ山それぞれが、接触によりわずかに歪んで
いる、という状態を示します。(そのとき接触点・接触面積は非常に小さく、
力の大きさも小さいため、ネジ全体のひずみというものを考えなくてよい
状態である、ということは前回書いた通りです。)
それに対して、直列に書かれたコンプライアンス成分は、ある力が
両方に同時にかかり、それによって生じる変位は合計されるということに
なります。
ここで、座面にかかる力と、ネジ部にかかる力は作用・反作用の法則により
絶対値が等しくなります。そこで、両者のコンプライアンス成分を
直列的に接続し、あの図のように書かれます。
概念的には、ねじ込まれることによって蓄えられるべきひずみ量(これは
ネジの回転角によって決まります。)は、「ネジ部のひずみ」と、座面表面
凹凸のひずみ」によって分担されます(力ではなく、ひずみ量が、です)。
また、そのときそのひずみが生じる張力は両者に同じようにかけられ、
分力されるものではありません。
ですから双方の「誤差分散値」によって決まるさまざまなバネを並列に
描いたのち、それらを互いに直列に接続します。
実際のブツに照らし合わせて考えると、ぐるっとおお外回りで回っている
接続部分は、ネジの座面と、ネジのネジ部の間のどこかの点を表すと
考えてください。
そのとき、その点から、各ネジ山までのコンプライアンスと、
またその点から各座面の粗さのコンプライアンス成分へと
それぞれバネがあると考えています。
実際にはネジ全体が伸びたり、座面が引っ張り力によってテーパー
状にひずんだりするでしょうけれど、これは、力が大きいときの
問題であり、接触直後の各ネジ山の誤差とか、そういう部分が
問題になる条件下では無関係としています。
> 直列に扱えるのならひうらさんの論が成り立つと思いますが、並列に扱うべき
> だと思います。並列に扱うとネジ山のコンプライアンスが低いからという話は
> 成り立ちません。
コンプライアンス成分をすべて並列に扱ったとき、どうやって
作用反作用の法則を図示するのでしょうか。
繰り返しますが、なぜ直列になるかというと、ネジ山と、座面の粗さ
が生じるバネの成分が互いに引っ張り合うからです。
それに対して、板に固定されてはいるが、強くねじ込まれているわけでも
なく、いっさいガタもないようなネジのネジ頭を、上からハンマーで
たたいたときの弾性係数、ということになると、みつながさんのモデル
になります。このときおっしゃるとおり、剛性感はネジ座面が支配的に
なるはずです。面積も大きいし、平滑性も高いので。
では。
---- 日浦慎作 Shinsaku HIURA ----