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[nikomat 1376] Re:Bessa-L
よしだ っす。
In message <199901290450.NAA72440@ml.asahi-net.or.jp>
"[nikomat 1367] Re:Bessa-L "
"HIURA Shinsaku <shinsaku@vision.kuee.kyoto-u.ac.jp>" wrote:
> M42 では、マウントが歪んでいるとか、座面がざらざら
> とかで、なかなか摩擦力が上がらないから、ずるずると
> どこまでも回る、ってことですか?
一度も そうは 言ってないでしょう?
> だとすると、逆に、ライカでは、その程度(M42 では、
> だらだらとドラッグするような領域)の座面の押し付け力で、
> それ以上は回らない程度の、強力な摩擦力が急激に発生する
> (で、それ以上回らない)という説明ですか?そういう物性?
これは、そうですよ。
1つ前の文 とは 無関係にね。
> また、その程度の力で急激に止まるような物性のものを
> 擦り合わせ、なおかつ いろいろなレンズ同士の位置を
> ちゃんと高精度に位置あわせされるような物性と精度が
> 保たれるような、加工がなされている?そりゃすごい。
そう。凄いでしょ! んで、面白いでしょ!?
# ネジって 奥が 深いんですよねぇ。
ですから、ライカのマウント部の ねじ締結の場合、座面を とことん
管理することで 精密な(軸方向の)位置決め が 可能に なるんです。
> また、この仮説が正しいとすると、もっと大きな力を加えると、
> ライカでも、さらに回りそうなもんです。もしくは、この物性が
> 非常に特殊で、一度摩擦モードが変ったら急激に、けた違いに
> 摩擦が増えるのか??
摩擦と言うより 密着力ですね。
> それに、この仮定だと、ネジの回転方向の残留トルクが、
> ネジの軸方向の引っ張り力がより小さい領域で、十分急激に
> 立ち上がる、という事ですよね。だとすると、ライカの場合、
> 同じトルクでレンズを取りつけたとき、レンズがボディに
> 押し付けられる力は、より小さいということになりますね?
少しは 小さいですね。
> ---- ---- ----
> いっぺん、実験してみたらいいでしょう。
>
> ライカのマウントの素性が良いから、サッと摩擦力が
> 立ち上がる、って言うんなら、その良いライカの、
> マウント座面に、薄く油塗ってみて下さい。
>
> だとすると、パチンってフィーリングは消えるでしょうが、
> M42 のように、だらだらと回転するようなフィールに、
> 劇的に変化するでしょうか?
答えを先に言うと、YES です。
ただ、普通の 粘性の低い油じゃぁ 駄目なんですよ。
その効果を 凄く確認しにくいんです。
この実験で そういう油を使っちゃうと、油が 切れてしまうからです。
圧が掛かっても、なおかつ 油を残すようにするためには 多少の凸凹
が必要なんです。こういう加工を 「きさげ」と 言います。
だから 厳密にやろうとするなら、ベアリングとかを使うんです。
これで 塑性域まで 絶えられるような モノを作ると、まぁ 結構な
実験装置になっちゃいますが、1コ上の先輩が そういう汎用実験
装置(汎用の締結システム評価装置)の開発 を 修士論文テーマに
してました。
すると だらだら 行くし、やっぱり締結そのものが成り立たなくなる
んです。過去に 何度も実験しました。
# まぁ 油を使っても、非常に感度悪いけど 観察できますね。
# 感度が悪い(あっと言う間に 油切れする)ので、歪みゲージを使う
# のが 通例です。
# 座面潤滑の有無、ネジ面潤滑の有無 は、ネジの締結メカニズムを
# 確かめる実験として、よく学生実験でも やります。
*****
> これは、M42 と比較すると、材質が違うから?
> セラミックかチタンかなんかで出来ている?
これ以降の文章は、たとえ 兄じゃの理屈が正しかろうと、後で
兄じゃ自身が このように書いたことを後悔するだろうから、読
まなかったことにしておきます。
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